大崎市の公立小中学校と義務教育学校で年間5日間、午前授業とし、午後からさまざまな学習、体験活動に取り組んでもらう市教育委員会の取り組み「チャレンジデー」が1日、市内トップを切って三本木地域で始まった。子どもたちが日頃と異なる環境でスポーツや自主学習に励む一方、会場までの送迎など課題も浮かび上がった。地域で教育活動を創造してもらい、小中学生に主体性を養ってもらうほか、教職員の働き方改革につなげるのが狙いで、県内初の試み。夏休みなど長期休業のない月の第2水曜日に定めている。ほとんどの地域で8日に第1回を迎える予定。公民館や民間団体が中心となって調理や工作、自主学習のほか、プラモデル製作、映画鑑賞会などユニークな取り組みの実施に向けて準備を進めている。三本木地域では1日、三本木公民館と市体育協会三本木支部がニュースポーツ体験やジュニアスポーツ教室、自主学習を同館や三本木総合体育館で実施。小中学生約100人がスカットボールやスポーツスタッキングを楽しみ、グループ学習に励んだ。初回ということもあり、課題も残った。参加児童の半数以上が児童館利用者で、職員に引率され参加したが、バス通学で共働き世帯の児童は移動手段が限られた。また、一部の主催団体は、平日日中のためスタッフをそろえるのが難しかった。
 春に見頃を迎える山野草の展示会が大崎市田尻地区公民館で開かれている。田尻地域の愛好家12人でつくる「大崎市田尻山野草愛好会」が主催、大崎タイムスなど後援。素朴でかれんな山野草が来場者を引き付けている。4日まで。同会は、同館であった山野草教室の受講者らが1997年に設立。展示会を毎年春と秋に開催している。今回は、会員が手塩に掛けて育てた鉢植えのヤマシャクヤクやアマドコロ、シラネアオイなど約70種、350点を並べた。昨夏から高気温が続いた影響で花物の一部は見頃を過ぎ、葉物がメイン。近年の斑入り植物ブームもあり、多くの人が足を運んでいる。

 東日本大震災の津波で長男健太さん(当時25歳)を亡くした大崎市松山の田村孝行さん(63)、弘美さん(61)夫妻は4月30日、健太さんの母校古川高に自作絵本「ふしぎな光のしずく~けんたとの約束~」3冊と、野球部応援旗を寄贈した。健太さんは震災当時、七十七銀行女川支店に勤務。大津波警報が発令される中、支店長の指示で2階建ての屋上に避難したが、行員12人が犠牲になった。健太さんは半年後に見つかったものの、現在も8人が行方不明になっている。絵本は、次の世代に震災を伝えるとともに、健太さんが生きた証しを残したいと、女川で出会った東京のミュージシャンらと約5年かけて制作。寄贈式には牛来拓二校長はじめ、野球部の茂泉公己監督、千坂民美学校司書、2、3年生の野球部員とマネジャー17人らが出席した。
 大崎市古川中心部を流れる緒絶川のほとりで、風物詩として親しまれるフジの花が次々と咲き始めた。日没後にはフジ棚12カ所のうち7カ所がライトアップされ、幻想的な美しさを醸し出している。流域は旧古川市時代からフジの名所としておなじみ。万葉集の歌枕で有名な「緒絶橋」、造り酒屋の蔵を利活用した市民ギャラリー「緒絶の館」と商業施設「醸室(かむろ)」が立ち並ぶ文化的景観も相まって、花盛りの季節には見物客が大勢訪れる。「醸室」に事務所を構えるみやぎ大崎観光公社によると、開花時期は天候不順だった昨年よりやや早く、花そのものも大きい。1日現在、日当たりの良い場所のフジ棚は5分咲き。薄紫色の花々が垂れ下がり、水辺は甘い香りに包まれている。

 「火伏せの虎舞」=県無形民俗文化財=で知られる加美町中新田地区の伝統行事「初午まつり」は29日、地区中心部であり、見物客約4万5000人が勇壮な舞に酔いしれた。〝主役〟の虎舞は男子小中学生が2人一組で虎頭、胴幕をそれぞれ操る。まつりでは約60頭が朝早くから地区内各戸を回り、商店街や個人宅で渾身の舞を披露していった。目抜き通り「花楽小路(からくこうじ)」の瓦屋根上での舞はまつり最大の見せ場。お囃子の笛と太鼓が「本調子」から力強い「岡崎」に変わると、最高潮の盛り上がりに。春風を胴幕にはらんだ虎が勢いよく舞うたび、街路いっぱいの客から歓声と拍手が沸いた。
 大崎市古川のフルート愛好家団体「古川笛の会」は21日、5年ぶりとなる演奏会「日本フルートフェスティヴァルin大崎」を岩出山文化会館・スコーレハウスで開き、柔らかな音色で会場を包み込んだ。1990年発足の同会は、練習成果を発表する演奏会を翌91年から毎年開催。2017年からは、会員全員によるフェスティバルと一部が出演するミニコンサートを隔年で開いてきたが、20年のコロナ禍以降は中止を余儀なくされていた。この日は賛助メンバーを含む20人が鎌倉会長の指揮の下、モーツァルト作「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やミュージカル「オペラ座の怪人」、童謡メドレーなど7曲を披露。同会顧問で東京交響楽団首席フルート奏者の相澤政宏さん(涌谷町出身)も、フェルー作「3つの小品」のエキゾチックな独奏で会場を圧倒した。

 ブランド鶏「森林どり」で知られる鶏肉生産加工販売「ウェルファムフーズ」(本社・東京都)の新たなブロイラー工場「宮城新工場」が涌谷町尾切に完成した。竣工セレモニーが23日に現地で開かれ、関係者が完成を祝ったほか、新工場で製造、出荷された製品が全国に行き渡ることを期待した。新工場は、既存の宮城事業所(石巻市北村)の老朽化に加え、事業拡大を目指し、約5キロ離れた同地に移転、新築した。建物は昨年1月に着工、今月19日に完成。5月31日の操業開始を予定している。敷地面積約6万3199平方メートル。鉄筋2階建てで、延べ床面積は約1万6841平方メートル。従業員は約300人(協力会社含む)。県内30農業で飼育された生きた鶏を食肉に加工、出荷する。
 大崎市古川斎下新天神にあるチューリップ畑が見頃を迎え、色とりどりの花が道行く人たちの目を引いている。同地区の剱神社前を通る道路沿いにある畑は、広さ約200平方メートル。赤や白、オレンジ、ピンク、紫など13種類のチューリップ約6000本が、パンジー、ビオラと共に並んでいる。57軒の地区住民でつくる斎下地区活動組織による農地保全活動の一環。農林水産省の多面的機能支払交付金を受け、15年ほど前からチューリップ畑とコスモス畑を整備。チューリップは毎年新種を含む新しい球根を購入して秋に植え付け、咲き終わった球根は各家庭へ配っている。

 大崎市古川を中心に活動している「イキイキ25太極拳愛好会」は23日、吉野作造記念館前の多目的広場で本年度1回目の野外演習を行った。会員たちは開放的な空間でゆっくりと体を動かし、呼吸を整えた。同会は5年ほど前、シニアカレッジ「宮城いきいき学園」大崎校の25期生で結成。会員を募るなどして現在、市内と近隣地域の18人が在籍している。週1回、同市古川の栗原眞智子さんを講師に市内の生涯学習施設で練習しているほか、競演大会や市のイベントなどに参加している。この日は基本動作とともに、歌謡曲に合わせた舞や扇、剣を使った演武などを練習。練習の後は、広場に隣接する「祥雲閣」で茶道に触れながら抹茶を味わった。
 大崎市鳴子温泉の鳴子ダムで、雪解け水を高さ約80㍍の開口部から流す「すだれ放流」が行われている。あいにくの雨降りとなった24日も次々と観光客が訪れ、壮大な光景を楽しんでいた。25日まで。すだれ放流は、同ダムが完成した翌年の1958年に始まり、この時期の風物詩となっている。例年は5月の大型連休に実施するが、暖冬で雪解け水が少なかったため、昨年に引き続き時期を前倒しした。県内外から訪れた人たちは、堤体延長95メートルから音を立てて水が流れ落ちる様子を見下ろしたり、ダムを背景に写真を撮ったりしていた。

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