加美町の夏の風物詩「第22回ドラゴンカヌー大会」(同実行委主催、大崎タイムスなど後援)が27日、鳴瀬川カヌーレーシング競技場で開かれた。県内外の37チームが団結力を発揮して熱戦を繰り広げた。ドラゴンカヌーは竜をかたどった艇にこぎ手と太鼓、操舵手の12人が乗り、速さを競う競技。初心者、競技経験者を問わない「一般の部」、4人以上の女子選手を含めた「混合の部」があり、コースは直線250㍍。出場チームは中高の部活仲間、職場の同僚、カヌークラブ、小学校の教職員同士、職種は違うが気があった仲間たちなどさまざま。選手たちは、太鼓の音に合わせて一体となってパドルをこぎ、熱戦を繰り広げていた。
 少雨の影響で、大崎市鳴子温泉にある鳴子ダムの貯水率が29日午前3時ごろ、0%となり、農業用水などに利用できる最低水位を下回った。鳴子ダム管理所は同日、緊急放流を31年ぶりに始めた。小嶋光博所長は「田んぼに水が全く行かない状態は避けなければならない」と話しつつ、農家などに節水も呼び掛けている。同ダムは、完成した1957年から100年間にダム湖に堆積する土砂を想定した分を最低水位としている。このため、貯水率が0%となっても水は残っているが、通常は利用を想定していない。この時期の貯水率は平年78%前後だが、ことしは6月中旬から下がり続け、放流量を絞るなど対策を行っていた。

 水を張った休耕田をコートにバレーボールの試合を行う「第14回泥んこバレーin小泉」が27日、大崎市古川小泉地区で開かれた。市内外から15チーム、約80人が参加し、全身泥だらけになりながらボールを追い掛けた。小泉親交会(勝井徳会長)が地区民の交流や地域活性化を目的に、2009年に始めた。ユニークさが徐々に口コミで広がり、現在では遠方からも出場者が集まる人気イベントとなった。今回は大崎地方を中心に、仙台市や登米市、大和町からも出場。水が並々と張られたコートに3人一組で入り、泥に足を取られながら懸命にプレー。ボールを追い掛け思い切って飛び込み、豪快に泥しぶきを上げながらレシーブを返すと、観客から大きな声援が送られた。
 森林や河川に触れる体験を通じて水源地域の環境保全を学んでもらう「あつまれ!鳴子ダム」(実行委員会主催)が26日、大崎市鳴子温泉の荒雄湖畔公園などで開かれた。親子連れ36組114人が訪れ、ダム湖クルージングや木登り、イワナのつかみ取りといった行事を楽しみ、湖畔の自然に理解を深めた。国土交通省と林野庁が合同で行う「森と湖に親しむ旬間」(7月21~31日)と、地域活性化推進事業「鳴子ダム水源地域ビジョン」の一環。協力団体や企業が趣向を凝らした催しを企画するのが伝統で、ことしはダム湖探検や木工教室、ペットボトル万華鏡作り、森林探検、スナッグゴルフも実施した。

 大崎地方で1カ月以上続いている少雨による影響は、一部水田で稲が枯れるなど深刻度合いを増している。大崎地方の土地改良区12団体のうち5団体が25日までに取水を制限し、番水制を導入。県は、稲が最も水を要する出穂期の最盛期について平年比3日早い今月28日と予測していて、高温対策と節水を兼ねた「飽水管理」を強く促している。
 日本こけし館開館50周年を記念した「奉納こけし展」が、大崎市鳴子温泉尿前の同館で開かれている。同館が開館した1975年に地元の温泉神社へ奉納されたこけし213点がずらりと並び、こけしの歴史や文化を伝えている。12月31日まで。同館建造のきっかけとなったのは、童話作家でこけし研究家の深沢要さん(1904年~47年)が集めていたこけしコレクション570点が、53年に旧鳴子町へ寄贈されたこと。全国のこけし工人が57年から同神社へ毎年納めている奉納こけしの収蔵、展示場所も必要となり、68年に計画が持ち上がった。同館は、深沢さんが生前構想していた「こけし博物館」を具現化したもので、こけしの製造販売事業者でつくる鳴子木地玩具協同組合が運営。組合所属の工人による実演を行うなど、半世紀にわたってこけし文化の発信、振興に取り組んできた。

 世界農業遺産「大崎耕土」の食材を使ったレシピを競う「第3回おおさきフードチャレンジ!」は20日、大崎市地域交流センター・あすもで最終審査が行われ、応募者自ら腕を振るった自慢の料理が審査員を感動させた。その結果、食育部門は同市鳴子温泉の伊藤沙織さん(38)、美結さん(10)=鳴子小中5年=親子が2年連続で最優秀賞に輝いた。地元料理人らでつくる「おおさき楽友会」(矢内信孝会長)が主催。今回は小学生とその保護者向け「食育」と、中学生以上のコンビ向け「おもてなし」両部門に合わせて73組の応募があり、書類選考を通過した6組がこの日、キッチンで実際に調理した。味や盛り付けはもちろん、チームワークも評価の対象。親子仲睦まじく調理に励む姿や、息の合った連係プレーでてきぱきと料理を作る様子を、伊藤康志市長ら審査員6人が観察。出来上がった料理を実食し、採点した。
 色麻町の加美農業高(川上剛弘校長)が取り組む中学生向け出前授業「MIRAI...

 第107回全国高校野球選手権宮城大会は21日、石巻市民球場で準々決勝2試合を行った。古川学園は仙台一に延長十回タイブレークの末、4-5で敗れ、2大会連続の準決勝進出へあと一歩届かなかった。古川学園は初回、敵失を突いて2点を先制。しかし、その後小刻みに失点して逆転を許し、2-3で迎えた九回、5番大島の中安打を足がかりに二死一、三塁の好機をつかむと、9番櫻井琉の適時打で同点に追い付いた。タイブレークから先に2点を失った十回裏、四球を選んで無死満塁にすると、3番菊地の左犠飛で1点を返したものの、続く打者が併殺に倒れた。
 第27回参院選は20日に投票が行われ、即日開票の結果、宮城選挙区(改選数1)は、立憲民主党現職の石垣のりこ氏(50)が知名度を追い風に、定数が1になってから最も多い7人による争いを制し再選を果たした。投票率は55・37%で、前回(2022年)を6・57㌽上回った。期日前投票をした人は全投票者の4割を超え、過去最多だった。石垣氏は、19年に初めて立候補した際に掲げた公約「消費税ゼロ」が物価高を受けて再び注目を集め、終始有利に選挙戦を展開。選挙期間中、立民の野田佳彦代表が登米市など県内に2度応援入りしたほか、独自候補擁立を見送った共産党の支持を得てほぼ全域に浸透。4町を除く31市町村で最多得票を得た。自民新人の石川光次郎氏(58)は、村井嘉浩知事と県内全市町村首長の支持を取り付けたほか、選挙期間中、石破茂首相が応援に駆けつけてこ入れ。しかし、「政治とカネ」問題など党への逆風に見舞われ、地盤とする仙台市以外での知名度不足も最後まで響いた。

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