酒造会社「一ノ蔵」と「佐浦」が共同で仕込んだ純米吟醸酒「うららとくらら」が、22日に発売される。10日に佐浦で利き酒と瓶詰め作業があり、両社の杜氏が出来具合を確かめた。コロナ禍で日本酒の消費が低迷したのを受け、日本酒になじみが薄い若年層に訴求しようと、2年間限定で昨年始めた試み。県内の酒蔵で出荷量1位(一ノ蔵)と2位(佐浦)が手を組んだとして注目を集め、昨年は1万2000本余りが1週間ほどで完売した。ことしは、県産ササニシキを主原料に両社の蔵でそれぞれ醸造し、同量ずつ調合。7月に検討会を開いてアルコール度数を決めた。想定する主要客層は20~40歳代半ばで、約1万6000本を県内一部の酒販店やオンラインショップで販売する。720㍉㍑、税込み1980円。
 華道(いけばな)流派の一つ、龍生派古川支部の「創立85周年いけばな展~花の力にいやされて~」が12日から、大崎市図書館多目的ホールで開かれている。大崎タイムスなど後援。13日まで。4代家元吉村華洲の下、全国51支部10地区(2023年4月現在)で活動する龍生派は、型に沿って花材を生かす「古典華」、自由に表現する「自由花」の2分野が特徴。このほか、現代の住空間に合わせ、従来の3分の1の寸法で表現した「ひびか」も提唱し、小さな作品の世界観を追究している。

 手作りのつるし飾りや人形が涌谷町くがね創庫に展示されている。紅を基調にした華やかな飾りや、花火の下での盆踊りを再現した作品が並び、見る人を引き付けている。15日まで。出展者は、同町のサークル「遊布の会」。会員13人が月1回、同町箟岳公民館に集まって創作活動に打ち込んでいる。ちりめんや絹物といった古布を原料に一針ずつ手で縫い上げ、ぬくもりある作品を生み出している。今回は500点余りを展示。幅2㍍、奥行き3㍍の枠組みの天井から垂らしたのは、1本のひもに40~50点の人形をつるした飾り。鮮やかな色合いの古布で表現した花火や、やぐらを囲んで数十体の人形が盆踊りを踊る夏の一夜を表現した作品もある。
 石破茂首相は9日午後、衆院を解散した。政府は同日、臨時閣議で衆院選の日程を15日公示、27日投開票と決めた。衆院選区割りが見直されて初めての選挙で、三つの区に分断されていた大崎地方は、小選挙区制導入から初めて一つの選挙区(5区)としてまとまる。石破内閣は1日に発足したばかりで、8日後の解散は戦後最短。「裏金」、旧統一協会の関係などが大きな問題となる中、国民の審判を問う与野党の戦いが始まる。5区では自民前職に維新、共産の新人2人が挑む。

 大崎市田尻にある単位制高校「田尻さくら高」は本年度、地域で活躍するこぎん刺し作家や藍染作家、同校卒業生などを講師に招いた授業を数多く取り入れている。県の「外部講師活用事業」によるもので、地域に根差した作家や先輩の活躍に触れることで、生きる力を身に付け無限の可能性を感じてもらうことなどが狙い。9月末から3日間は同校卒業生のデザイナー、柴田菜々瀬さん(22)=登米市=が特別授業を行った。柴田さんは2020年卒。デザインやイラストレーション関連の専門学校を経て、22年に印刷会社の東北紙工(本社・仙台市)に入社。栗原市の高清水工場営業企画課で食品パッケージをデザインしており、これまで手掛けた商品は100品を超える。授業は学校設定科目「イラストレーション表現」の一環で、最終日の3日は2年次と3多年次の9人が参加。柴田さんは会社やデザイナーの仕事などについて講話。また高校時代から取り組んでいるペン画に、生徒たちにも挑戦してもらった。
 流域治水の推進に取り組んでいる「りゅうちるネットワーク」は5日、収穫祭を大崎市鹿島台の吉田川志田谷地防災センターで開いた。吉田川と高城川沿いで取れた農産物を市価より安価で売り出したほか、治水や水害対応の取り組みを紹介し、流域治水に対する理解と協力を来場者300人余りに訴えた。同団体は、昨年7月に東北初の特定都市河川に指定された吉田川と高城川の河川協力団体。これまで企画会議や2河川沿いのごみ拾いを主催し、流域治水に向けた沿川住民の意識啓発を図ってきた。この日は、流域で収穫された新米のほか、ナスや長ネギといった野菜が販売され、買い得さも手伝って売り切れが続出。近くの吉田川で採取されたタナゴやヌマエビなどの水生生物が固有種と外来種別に展示された。

 大崎市岩出山の城山公園にある蒸気機関車(SL)C58形を市民らで塗装、修繕する作業が5日、始まった。「シゴハチ」の愛称で親しまれた車両だったことから、題して「SLシゴハチ塗装大作戦!」。毎週土、日曜に作業を行い、11月10日の完了を目指している。同SLは1973年、陸羽東線での運行終了後に旧国鉄から旧岩出山町に無償貸与され、同公園に静態保存されている。しかし、展示から半世紀余りが過ぎて老朽化が進んだことから、昨年11月、一般社団法人鉄道文化連結会が市から維持管理を受託し、修繕作業の準備を進めてきた。市民らによる作業は表面のさびを落とし、塗装するのが主な内容。初日は同法人の中心メンバーや鉄道ファン、地元中学生など延べ約30人が参加。設置当時、専門業者によって施された塗装は頑丈で、参加者は四苦八苦しながら金属べらや金ブラシを使って削り落としていた。
 美里町は9月29日、学校部活動の地域移行についてのセミナーを町駅東地域交流センターで開いた。町内の中学生親子ら40人余りが講師の話に耳を傾け、移行に向けてのポイントを学んだ。スポーツ庁地域スポーツクラブ活動アドバイザーの久田晴生さんが講演。以前勤めていた長崎県を例に、全21市町に共通する課題として▽受け皿となる地域クラブ団体の整備、充実▽指導者の質、量、練習会場の確保▽大会、費用負担の在り方-などを挙げた。長崎県は県郵政本部や大学と連携し、各郵便局にチラシを貼って啓発を図ったり、地域クラブ活動に関わった学生の単位を認めたりといった取り組みを進めたという。「移行の仕組みづくりは学校の課題だが、定着させるのは社会の課題で、さまざまな団体と連携しないといけない」と。保護者に向けては「学校や教員の仕事でなく、自分事と捉え、自らできることを考えてほしい」と訴えた。

 大崎市独自のササニシキ系ブランド米「ささ結(むすび)」を味わう新米試食会が2日、市役所であり、米穀流通業者や提供する飲食店主らが2024年産の販売解禁よりも一足早く出来栄えを確かめた。市、古川農協などでつくる「大崎の米『ささ結』ブランドコンソーシアム」主催でブランド誕生(15年)以来の恒例事業。湯気が立ち上る炊きたてと大きなおにぎり、冷めても変わらない食味が好相性のにぎりずしにして振る舞い、試食会場の屋内広場「パタ崎さん家(ち)」はおいしそうな香りに包まれた。目も舌も一流の〝米のプロ〟たちを驚かせたのは、夏の暑さにも負けず品質を保つ高温耐性。「おいしい」「100点満点」などと評しつつ、どの顔も安堵の表情に。生みの親の永野邦明さん(元県古川農業試験場長)も「温度変化に対する強さを発揮し〝健康的〟に生育できた」と太鼓判。「ささ結」は今秋デビュー10年目。品種転換を促す市の補助金、さらに記録的猛暑で高温耐性を証明したことも追い風となり、24年産の作付面積は228ヘクタールと前年比約2倍に拡大。ササ系復権の旗頭として期待感が増す。
 第54回宮城書芸院展と教育部展が、3日から大崎市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。一般会員の力作や小中学生の伸びやかな作品が並び、訪れた人の目を引いている。大崎タイムスなど後援。6日まで。宮城書芸院(加納鳴鳳会長)は、同市岩出山に本部を置く書道団体。一般の部は、漢詩や短歌などを題材にした約80点を展示。加納会長(70)は「書道は『老成の芸術』。人生で味わうつらさや悲しさを背負うことで作品が成り立つ。そんな〝深み〟が感じられる作品が多い」と評価する。

さらに表示する