70種以上、150株のバラが咲き誇る「みさとローズガーデンフェア」が14日、美里町南小牛田のバラ園「バラの笑談館」で始まり、色とりどりのバラが訪れた人たちを引きつけている。16日まで。笑談館は、町花のバラをPRしようと、引地好男さん(74)が自宅庭を少しずつ整備し9年目を迎えた。赤やピンクといったさまざまな色のバラが咲いていて、「ブルーインパルス」など名称に「ブルー」が入る種類だけを集めた一角もある。フェアは、バラを通して町をPRしている町地域おこし協力隊の武田莉愛さん(25)が主催し、生花やバラ染め布を使ったブローチや飾り、バラの鉢苗を売り出している。訪れた人たちはかれんな花に見入っていた。
 絵手紙の展示会が大崎市鹿島台平渡の鹿島台郵便局ホールで開かれている。手書きのぬくもりあふれる作品が、訪れた人の心を和ませている。24日まで。出展者は、地元住民らが2004年に結成したボランティア団体「華の会」。同郵便局で月1回、講師の松原律子さん(90)=美里町大柳=の指導を受け、旬の花や果実類を題材に1人2~3枚の絵手紙を画仙紙に描いている。

 家畜改良および飼養技術の向上に研さんした成果を披露する2024年度県総合畜産共進会(県畜産協会主催)が6日、美里町のみやぎ総合家畜市場で開幕した。7日にかけて肉用牛の部が開かれ、大崎地方などの畜産農家が肥育技術の成果を競った。県産黒毛和種延べ64頭が月齢や出産経験の有無別に五つの区分に出品され、うち46頭は大崎地方を含む県北部の出品者が占めた。個体審査に続いて比較審査が行われ、月齢に応じた発育状態や体つき、毛並みを審査員が確かめた。最高賞の農林水産大臣賞に次ぐ農林水産省畜産局長賞・県議会議長賞に輝いたのは大崎市田尻字町の後上藤三さん(39)の「ゆりあん6」(1歳2カ月)。県基幹種雄牛「茂福久」を父に持つ自家産で、高い評価を受けた。乳用牛の部は25日に同市場、肉豚の部は10月23~25日に県食肉流通公社(登米市)でそれぞれ行われる。
 県北有数のコスモスの名所、大崎市松山御本丸公園(コスモス園)で、コスモスが見頃を迎えている。開花は、猛暑の影響で平年と比べ遅れたが、恒例の「コスモス祭り」が2日に開幕し、100年ほど前まで運行されていた「人車」(近代化遺産)が週末を中心に運行されている。14日は、観光PR隊「伊達武将隊」らによるステージショーが開かれる。同園7000平方メートルのうち4300平方メートルをコスモス15種約18万本が彩り、黄色やピンク、オレンジの花を咲かせている。祭りは、松山観光協会が主催。開幕後初の週末となった7日には人車の運行が始まった。「人車」は松山地域で1920年代、人が手で押して運行していた客車で、車窓からコスモス畑を楽しむ人たちの姿が見られた。

 医療や健康づくりに関する気軽な相談の場となっている「フラッといしかいサロン」が7日、大崎市図書館多目的ホールで開かれた。拡大版の今回は市民らが次々と訪れ、心身の健康状態を再確認していた。同サロンは大崎市医師会、市、市図書館が主催し、2018年にスタート。6月から翌年2月まで毎月1回、多くの人が利用する市図書館を会場に血圧測定や健康相談、関連図書を並べる「ミニ図書館」を行っている。このうち9月と2月は拡大版として実施。体組成や骨密度、血管年齢、歯周病などを確認できる専用機器が並ぶほか、健康体操、健康や栄養、薬の相談コーナーも設けている。この日は開始と同時に、職員らの呼び掛けで立ち寄った図書館利用者を含め100人近くが来場。専用機器で健康チェックを受けたり、専門家に相談したりしていた。
 青年期の12年間、現在の大崎市岩出山を治めた仙台藩祖・伊達政宗(1567~1636年)をたたえる「第61回政宗公まつり」が8日、岩出山地域中心部で開かれた。騎馬武者をはじめとした「伊達武者行列」など総勢約700人が目抜き通りを練り歩き、豪華な戦国絵巻を繰り広げた。行列は、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際し、兵3000人を率いて上洛した様子を再現したもの。漆黒のよろい、かぶとに身を包んだ伊達政宗をはじめ、片倉景綱や留守政景ら伊達家家臣、岩出山高生徒が操る姉妹都市宇和島市の山車「牛鬼」などが、旧有備館前から通丁交差点までの約1・2キロを2時間かけて行進した。

 飲食店や食品工場から出る廃食用油から軽油の代わりとなるバイオディーゼル燃料(BDF)を製造している「千田清掃」(大崎市古川狐塚)はこのほど、BDFの割合を混合燃料全体の半分まで引き上げた「B50燃料」を開発した。同社の混合燃料は、自動車に使用できる軽油95%、BDF5%の「B5燃料」が主力。昨年はBDF割合30%の「B30燃料」を開発し、資源エネルギー庁の認可を得て乗用車に使用する実証実験を約1年間実施。故障を起こすことなく完了し、製造、販売を行っていた。B50は、B30で得たノウハウを活用し開発。地方税法の軽油規格を満たし、特定特殊自動車排出ガス規制法に適合した建設機械や発電機、農機具などのディーゼルエンジンに使用できる。B30よりも高い温室効果ガス削減効果が期待できる。
 日本を代表する大手企業が加盟する「日本経団連」自然保護協議会は3、4の両日、大崎市を訪れ、ため池や居久根(いぐね)を視察したほか、これらの保全に取り組む関係機関との意見交換を通して保護活動の在り方について見識を深めた。同協議会(加盟138社)は、基金を通して日本や途上国の自然保護活動を支えている。県内では、淡水魚シナイモツゴをはじめとする絶滅危惧種の保護に取り組んでいる「シナイモツゴ郷の会」(大崎市鹿島台)などを支援した。西澤敬二会長(損害保険ジャパン顧問)ら16人が旧品井沼周辺ため池群(同市鹿島台)を視察したほか、駆除されたアメリカザリガニの塩ゆでを味わった。続いて意見交換会が市役所であり、協議会や市、東北地方環境事務所が、環境保護活動をそれぞれ紹介した。西澤会長は「生物多様性保全の取り組みが近年注目されていて、さらに加速させないといけない。企業単体では限界があり、地域住民との連携が欠かせない」と話していた。

 全国から寄せられた中古こけし、だるまのオークションが、大崎市鳴子温泉の日本こけし館で行われている。デザインや大きさが多彩な2559点が出品されており、1点100円から入札できる。30日まで。オークションは、東日本大震災で汚れたり破損したりしたこけしを引き取ったことがきっかけで、2013年に始めた。損傷の激しいものは温泉神社で供養してもらい、状態の良いものはオークションにかけて同館の修繕費や運営費に充てている。配達や直接持ち込みで集まるこけし、だるまは、毎年数千点に上る。ことしのオークションで対象となっているのは、高さ約50㌢の大型作品から小指の先ほどしかないものまでさまざま。ビール会社のラベルが胴体に描かれたものや7本セットの七福神だるまなど変わり種もある。
 国際かんがい排水委員会(ICID)は3日、江戸時代掘削の農業用水路「南原穴堰」(大崎市鳴子温泉)について、水利施設の歴史的、技術的価値を認める「世界かんがい施設遺産」に登録した。東北地方で8カ所目、県内では「内川」(同市岩出山、2016年登録)に続き2カ所目。南原穴堰は出羽街道中山宿、鳴子温泉南原集落の新田開発を目的に1644年から3年がかり、全工程手掘り開削と伝わる。大谷川支流が取水源で、延長1880メートルのうち地中を通る隧道が1330メートル。集落住民でつくる水利組合が機能維持に取り組み、現在も山あいの水田約25㌶を潤す〝生きている遺産〟として高く評価された。ICIDの国際執行理事会(オーストラリア・シドニー)で登録表彰式があり、伊藤康志市長、上野耕作水利組合長らが出席。伊藤市長は「先人が残してくれた歴史、技術が世界から認めてもらったことは大変光栄。関係皆さまと一層連携を深め、磨きをかけていく」との談話を出した。

さらに表示する