大崎市鳴子温泉鬼首のカムロ農園が市と連携して育てた「畑ワサビ」が16日、初めて収穫、出荷された。手探りの栽培だったが、収量は約1トンを見込んでいる。同農園の髙橋公代表は「改善点も見え、次の作付けはだいぶ良くなる」と自信を見せていた。県が有望品種として生産拡大を図っている畑ワサビ。茎を食用とするワサビで、収穫まで18カ月ほどかかるものの、栽培に手間がかからず、辛味成分の影響で獣害対策も不要。日当たりが悪い中山間地や耕作放棄地を活用できる利点もある。市は国の「中山間地農業ルネッサンス事業」による補助を活用し、22年11月に試験栽培を開始。市と連携した同農園は、適度な日陰と水はけがあるとして、耕作地として利用していない敷地内のスギ林約12アールを整備し、木々の間に苗を植え付けた。この日は、同農園職員ら10人余りが畑に集まって作業。雑草をかき分け、特徴的な扇形の葉を目印に根元から引き抜いた。収穫した畑ワサビはその場で葉を切り落とし、20~30センチに育った茎をコンテナボックスに詰めていった。