国際かんがい排水委員会(ICID)は3日、江戸時代掘削の農業用水路「南原穴堰」(大崎市鳴子温泉)について、水利施設の歴史的、技術的価値を認める「世界かんがい施設遺産」に登録した。東北地方で8カ所目、県内では「内川」(同市岩出山、2016年登録)に続き2カ所目。南原穴堰は出羽街道中山宿、鳴子温泉南原集落の新田開発を目的に1644年から3年がかり、全工程手掘り開削と伝わる。大谷川支流が取水源で、延長1880メートルのうち地中を通る隧道が1330メートル。集落住民でつくる水利組合が機能維持に取り組み、現在も山あいの水田約25㌶を潤す〝生きている遺産〟として高く評価された。ICIDの国際執行理事会(オーストラリア・シドニー)で登録表彰式があり、伊藤康志市長、上野耕作水利組合長らが出席。伊藤市長は「先人が残してくれた歴史、技術が世界から認めてもらったことは大変光栄。関係皆さまと一層連携を深め、磨きをかけていく」との談話を出した。