国土交通省東北地方整備局は11月29日、ドローンを使い、涌谷町の箟岳無線中継所を点検した。東北地方では初めての試み。試行を重ねてデータ蓄積を進め、点検作業の安全性向上と効率化、高度化につなげる。国交省は、迅速な災害対応への備えとして全国の事務所や出張所を結ぶマイクロ多重無線回線網を整備、運用している。無線は光回線のように断線の恐れがなく、大規模地震の際も通信を確保しやすい利点がある。回線網を構成する設備の一つが通信用鉄塔で、東北地方には約150カ所ある。点検は従来、受託業者が塔に登って目視や打音、触診を通して実施していたが、作業者の安全や質の均一性確保が課題だった。そこで今回、デジタル技術(DX)を活用した維持最適化の取り組みの一環でドローンを活用することにした。ドローンで外観を撮影、パソコンの人工知能で映像を解析し、さびなど劣化状況を診断する。