大型連休後半が始まった。大崎市三本木斉田の「ひまわりの丘」では、約200万本の菜の花が満開となり、なだらかな斜面に広がる黄色いじゅうたんが訪れた人たちを和ませている。6㌶に及ぶ丘陵が黄色く染まり、家族連れやカップルが通路を散策したり菜の花を背景に写真を撮ったりして思い思いに楽しむ姿が見られる。「菜の花まつり」が11日まで現地で開催され、特設売店で三本木地域の特産品などを販売している。午前9時から午後5時まで。
 大崎市鳴子温泉の鳴子ダムで4月28日から3日間、恒例の「すだれ放流」が行われた。初日の夜には放流水を虹色の光で照らすライトアップが3年ぶりに実施され、訪れた観光客を楽しませた。すだれ放流は、高さ80㍍のダム上部にある開口部から雪解け水を越流させるもので、ダムが完成した1958年から行われている。アーチ型の堤体幅95㍍から一斉に流れる様子がすだれのように見えることから名付けられ、春の風物詩となっている。

 加美町中新田地区中心部の商店街で29日、「初午まつり」(同実行委、町など主催)が行われた。防火を祈願する伝統芸能として650年以上前から同地区に伝わる「火伏せの虎舞」=県指定無形民俗文化財=が披露され、大勢の観衆を魅了した。同地区は風が強く、昔からたびたび大火に見舞われていたことから、中国の故事「雲は龍に従い、風は虎に従う」に倣って火伏せを祈願したのが虎舞の始まり。初午まつりは、毎年約4万5000人の見物客が訪れ、町を代表する催しの一つとなっている。舞を担うのは地元の小中学生で、2人一組で頭と尻尾が付いた胴幕をかぶり、笛と太鼓の囃子に合わせて演舞する。今回は児童生徒約100人が務めた。演舞は、商店街「花楽小路(からくこうじ)」にある店前や酒造店の日本庭園など数カ所で実施。祭典本部「寅や」屋根上では、虎たちが勇壮な舞を繰り広げた。
 野生イノシシを食肉に加工する食肉処理施設「大崎市ジビエ食肉処理加工等施設」(同市岩出山上真山)が25日、農林水産省の国産ジビエ認証施設に認められた。第40号で、東北地方では岩手県大槌町の「MOMIJI」に続き2例目。国産ジビエ認証制度は、安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図るのが狙い。衛生管理基準とカットチャートによる流通規格の順守、適切なラベル表示による流通把握の確保に取り組む食肉処理施設を認証する。同施設は2023年度、イノシシを処理加工する東北初の施設として市が旧真山小を改修し整備した。専門の研修を受けたハンターを「ジビエハンター」として登録し、同ハンターが持ち込んだ個体を受け入れている。

 加美町字原町の工房「瑞希窯」は26日から、「旬のうつわ展」を同工房ギャラリーで開いている。陶芸家、鈴木瑞希子さんが手掛けたポップやモダンで洗練されたデザインの器が展示販売され、訪れた人の目を楽しませている。5月6日まで。鈴木さんは大崎市古川出身。堤焼4代目の針生乾馬さん(仙台)に師事し1987年、現在地に同窯を開いた。これまで仙台をはじめ全国で個展を開き、2014年にはパリの文化施設に出展した。作品展は毎年春の恒例行事。会場には曲線、丸などのかわいらしい幾何学模様や落ち着いた色味でモダンなデザインの器など約300点がずらり。マグカップやタンブラー、小鉢、皿といった実用的なものから花器まであり、一点物の新作ばかり。
 江戸時代の武士が修めた武芸を紹介する企画展が、大崎市岩出山の国指定史跡・名勝「旧有備館および庭園」で開かれている。旧家に伝わる甲冑や古文書など実物20点を含む約50点が展示され、訪れた人たちの目を引いている。6月22日まで。日本刀展示会が6月に市役所などで開かれることにちなみ、例年この時期に開いている端午の節句展を拡大し、「近世岩出山の武士六芸」と題して開催。岩出山伊達家の武士たちが修得に励んだ剣術、馬術、軍学、槍術を、古文書やパネルなどで詳しく解説している。実物資料の中でひときわ目を引く甲冑は、岩出山伊達家の旧臣濱田家に伝来するもので、総重量約20㌔。かぶとからすね当てまで全てそろっており、漆黒に光る鉄板が重厚な雰囲気を放っている。兜の中にかぶる鎖帷子や水筒、火薬入れなども並んでいる。

 仙台藩祖伊達政宗(1567~1636年)と涌谷伊達家の関係に焦点を当てた講演会が19日、涌谷町涌谷公民館で開かれた。仙台市歴史博物館青葉城資料展示館の主任学芸員、大沢慶尋さんが約110人を前に講演。政宗の信頼の厚さから伊達家一門に列せられた涌谷伊達家を詳しく解説した。涌谷伊達家初代当主、伊達定宗(1574~1652年)の父・重宗は伊達家重臣、亘理氏。政宗の岩出山転封に伴って百々城(大崎市田尻)、後に涌谷に移り、定宗に家督を譲った。06年に政宗の庶子宗根に末娘を嫁がせて婿養子とし、隠居領(高清水城)と合わせて亘理氏の名跡を継がせた。このため既に亘理氏を相続していた定宗は、代わりに伊達姓を名乗ることが許されたとされる。講演で大沢さんは、政宗が重宗の父元宗の死去後に重宗に宛てた書状を紹介。重宗が政宗に献上した元宗の形見の刀が重宗に戻されたことや、上洛の遅れを認める記述もあり、「政宗と重宗の心の交流が見て取れる」と評価した。15年の書状案には、徳川家康が大坂冬の陣で豊臣方と和睦を成立させたことや、江戸幕府将軍秀忠が政宗庶長子秀宗に伊予10万石を与えたことが記され、「重要事項を報告する関係だったことがうかがえる」と語った。
 乾田直まきの現地検討会が22日、色麻町の農事組合法人「下高城ふぁあむ」の実証ほ場で開かれ、機械を使った種まき作業を実演した。町や県などは水田耕作の省力化へ乾田直まきの普及を図りたい考えで、実証展示ほ場を設け栽培技術の普及を図る。乾田直まきの導入は、少子高齢化や耕作者の高齢化が進む中、労働力の低減やコスト削減を図るのが狙い。乾いた田んぼに種をまき出芽させ、水を入れて栽培する。代かきや苗作り、田植えなど一連の春の作業を省くことができ、県、全農みやぎは県内各地に実証ほ場を置き、普及や技術の検証を行っている。同法人はことし初めて75㌶のうち12㌶で乾田直まきを行い、飼料用米を生産する。このうち1㌶を県、全農みやぎが実証ほ場とした。

 約3200本のサクラが植えられている大崎市古川の化女沼ダム周辺で19日、「お花見ウオーキング」が行われ、参加者たちは広大な敷地を彩る満開の花に感激しながら散策を楽しんだ。主催したのは、サクラの植栽に取り組む「化女沼2000本桜の会」。12日に観桜会を兼ねたごみ拾いを行ったが、寒の戻りの影響でサクラは二分咲きだった。そこで、「ボランティアが1年間苦労して管理しているサクラを多くの人に見てもらいたい」と、ごみ拾い後に急きょ企画した。短期間での募集にもかかわらず、この日は市内外から約30人が参加し、青空の下、ダム湖周辺や高速道路沿い、愛宕山のサクラ植栽地を散策。佐々木会長から植樹を始めた2000年当時のエピソードを聞きながら、見頃となったソメイヨシノやカスミザクラ、ヨウコウなどを間近で観賞し、桜吹雪も堪能した。
 大崎広域消防本部は119番通報の際、リアルタイム映像も送信可能な「映像通報システム」を5月1日から運用開始する。スマートフォン(スマホ)経由で〝1分1秒を争う〟現場の通報者と情報共有し、より効果的な初動対応と傷病者の救命率向上を目指す。事前登録や専用アプリは不要。通信指令センターが必要と判断した場合、通報者のスマホにショートメールでURLが届く。アクセスしてカメラを起動させると、映像の送信が始まる仕組み。圏域(大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町)からの入電対象で、通信料は通報者負担となる。言葉で説明しにくい場所や被害状況、傷病者の容体も見たまま通報可。消防隊や救急隊は映像確認しながら適確な備えで現場へ向かう。さらに応急手当が必要の際は心肺蘇生法、止血法などあらかじめ用意された動画を送り、状況に応じてアドバイスする。

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