大崎市古川幸町の「麻雀サロンニュー西湖」は25日、ことし最後の健康マージャン大会を開いた。「(お金を)賭けない、(たばこを)吸わない、(酒を)飲まない」をルールに、マージャンを愛する高齢者たちが対戦しながら親睦を深めた。マージャンは指先を使った動作や点数計算が、介護予防に有効とされている。同店の健康マージャンは、高齢者の社会参加や仲間づくりを狙いに2004年から実施。通常の集まりは毎週木曜日に開いているが、年末の大会は東日本大震災後、見合わせており、今回が14年ぶりの開催。この日は大崎地方から70~90代の愛好者16人が集まり、卓上で火花を散らした。局の合間に談笑しながらも、牌を握ると表情を引き締め、思考を巡らせていた。半荘4回の合計点で競い、参加者にはクリスマスプレゼントが送られた。
 ことしも残りわずか-。正月を前に、神社や寺院は初詣客を迎える準備で大忙し。祇園八坂神社(大崎市古川中島町)では28日、鳥居と拝殿の大しめ縄掛け替え作業があった。氏子総代会と町内会有志「八坂クラブ」合同による年末恒例の取り組みで、合わせて約40人が参加。高所作業車と手作業で古い大しめ縄を取り外し、住民らの無病息災、地域繁栄を祈りながら真新しい縄をくくり付けた。大しめ縄は地元農家から譲り受けた稲わらと、市内数カ所の河川敷で集めたヨシを材料に1カ月陰干し後、関係者総がかりで仕上げたもの。鳥居用が長さ5㍍余り、最も太い中心部で直径60㌢ほど。拝殿用はさらに一回り大きく、どちらも重さ100㌔前後に及ぶ。

 官公庁仕事納めの26日、大崎市役所では伊藤康志市長が幹部職員らの前で訓話し、2025年を漢字「稀(まれ)」で総括した。鳴子ダム(同市鳴子温泉)の貯水率ゼロ状態が1カ月半に及んだ記録的渇水、クマ大量出没に伴う独自の緊急事態宣言発令など「極めて稀な出来事」を真剣な表情で列挙した伊藤市長。一転して頬を緩め、本州初の公設公営日本語学校開設、流域治水実現を目指す東北初めての特定都市河川指定(鳴瀬川水系吉田川ほか)を紹介し「全国から注目される稀な話題もあった年」と。その上で「良い意味の稀を一過性にせず、逆の稀は教訓とし、希望あふれる新年を迎えたい」と力を込めた。
 官公庁と多くの企業は26日、2025年の業務を終えた。大崎地域広域行政事務組合も同日朝、組合庁舎で仕事納め式を行い、管理者の伊藤康志大崎市長が構成1市4町での消防救急、環境衛生、生涯学習など各業務を担う職員たちの労をねぎらった。一般的な年末年始休みは27日~来年1月4日の9日間。

 「年末年始特別警戒取り締まり」の啓発活動が19日夜、大崎市古川中心街であった。参加者たちは飲食店を軒並み訪ね、大相撲の元横綱・白鵬翔さん=おおさき宝大使=起用のポスター配布で「安全安心」を呼び掛けた。市と古川署、各関係団体合同の取り組みで約100人が参加。活動に先立ち市図書館で出発式があり、伊藤康志市長は「安全安心な年の瀬を過ごし、新たな年を迎えてもらうため一人でも多くの市民に防犯、交通安全の啓発を」とあいさつ。田久裕之古川署長は飲酒運転根絶や冬道の交通事故防止、特殊詐欺への注意喚起など重点項目に触れ「市や関係団体、市民の協力が必要不可欠」と強調した。その後、拍子木の先導で夜の街へ。「暴力団追放」「御用」の文字入りちょうちんや「飲酒運転根絶」ののぼり旗を掲げ、忘年会でにぎわう居酒屋などを一軒一軒訪問していった。
 大崎市古川七日町の「リストランテ...

 大崎市古川中心部を避けて東部と南部を結ぶ「国道108号古川東バイパス」(延長約5・1㌔)が21日、全線開通した。開通式典と通り初めが行われ、関係者や沿線住民らが事業着手から35年越しの供用開始を祝福。国道108号の混雑緩和や交通事故減、救急搬送迅速化、地域産業振興といったさまざまな開通効果を期待した。古川東バイパスは、国道108号が古川鶴ケ埣で分岐し、古川稲葉の国道4号鴻ノ巣交差点に接続する全線2車線(暫定)。1990年に事業化、95年に用地取得が始まり、2007年度に着工した。総事業費は340億円で、うち用地費は87億円。
 仙台藩を治めた伊達家が代々味わったとされる正月料理を展示する企画展「伊達家の正月膳」が、大崎市岩出山の国指定史跡および名勝「旧有備館および庭園」で開かれており、食品サンプルで再現された料理の数々が訪れた人たちの目を引いている。来年2月1日まで。伊達家の正月膳は、1992年に仙台市で開かれた「みやぎ食祭92」で復元したもの。13代慶邦に仕えた大童信太夫の著書「伊達家年中行事記録」を参考にしており、初代藩祖政宗の好物だったとされるサケが多く使われている。閉会後に旧岩出山町が譲り受け、旧有備館で毎年展示している。三汁十六菜からなる豪華な正月料理の中に、質素な精進膳があるのも特徴。大崎市教育委員会によると、正月に亡くなった先祖を供養するためとされ、記録では法要も行ったという。

 古川工業高建築科の生徒が制作した釜神様を披露する「釜神展」が、JR古川駅新幹線改札内コンコースで開かれており、憤怒の顔をした作品が駅利用者をお迎えしている。来年1月8日まで。釜神様は火伏せ、魔よけの神で、宮城県北から岩手県南に伝わる。釜神展は、学習成果の発表と釜神文化を広く知ってもらう目的で、2010年から毎年実施。課題研究「造形制作班」を選択した3年生が取り組んでいる。ことしの造形制作班は13人。加美町文化協会木彫りの会の小野惇夫さんの手ほどきを受け、6月から制作。堅いケヤキ材に四苦八苦しながらも、のこぎりやのみを使って少しずつ彫り進め、約4カ月で完成。縦約50㌢、横約40㌢の作品に仕上がった。コンコースの一角には、生徒の力作13点に小野さんと同科OBの作品を合わせた計15点を展示。釜神様の風習や制作過程を解説するパネルも設置した。
 大崎地方の曹洞宗寺院若手僧侶でつくる県曹洞宗第9教区青年会(会長・青木崇玄妙伝院副住職)は18日、大崎市古川福沼などで「歳末助け合い托鉢」を行った。参加した青年僧10人は寒風が吹く中、住宅街などを行脚して市民から浄財を募った。この日は晴れたものの、肌を刺すような冷たい風が吹く寒い一日に。僧侶たちは檀家らに見守られながら龍洞院(古川江合本町)を出発。読経しながら住宅地や富光寺(古川李埣)、宮城誠真短大前など約5㌔を行脚し、携えた鉢や首にかけた餉箱に浄財を受け取った。住民たちは僧侶の鳴らす鈴の音が聞こえると、沿道に出て「ご苦労さまです」と声を掛けながら寄金し、一人一人に手を合わせて見送った。

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