2026/03/11


手書き壁新聞のコピーも

 東日本大震災から11日で丸15年を迎えるのに合わせ、美里町小牛田図書館は企画展を館内で開いている。震災被害や防災関連の書籍のほか、震災直後、甚大な津波被害を受けた石巻市の石巻日日新聞が6日間にわたって発行した手書きの「壁新聞」(写し)が並ぶ。訪れた人たちは「あの日」を思い起こし、備えの大切さを改めて感じている。書籍は、震災の被害や避難、復旧、復興の様子を写した大崎タイムス社などの写真集や震災伝承施設のガイド、日頃の備えを記した30冊ほど。貸し出しもしている。壁新聞は、津波で輪転機が水没し、インフラ、移動手段も限られた極限状況の中、模造紙にペンで書き、震災翌日から避難所に掲示。「支え合いで乗り切って!」「街に灯り広がる」などの見出で被害や復旧状況を書き、余震への備えや正確な情報に基づいた行動を呼び掛けた。展示したのは6枚のA2判コピー。

防災マップが特別賞

 大崎市三本木小(和田淳二校長、児童数270人)の5年生が作った防災マップが、「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」(日本損害保険協会主催)でデジタルマップ特別賞に入った。マップは55人全員が同校周辺を歩き、東日本大震災や浸水の体験を聞いたり危険箇所、防災設備の設置場所を確かめたりしてまとめた。表彰式が2月27日に同校であり、入賞したチームが賞状を受け取った。

指定廃処理未解決のまま

 2011年3月11日の東日本大震災は未曽有の被害をもたらし、大崎市では7人が亡くなり、226人が重軽傷、住宅596棟が全壊した(昨年3月10日現在、総務省消防庁)。震災から15年を経てハード面の復興は進んだ一方、メンタル面の支援などさまざまな課題も残されている。中でも東京電力福島第一原発の事故で発生した8000を超える指定廃棄物の問題は未解決のままで、大崎市内の農林業系指定廃棄物42㌧(稲わら、牧草)は処理の見通しがないまま保管が続けられている。

 

和田さん(涌谷第一小5年)最優秀賞

 「みやぎ災害伝承ポスターコンクール」で、涌谷町涌谷第一小5年の和田玲さん(11)が小学校高学年の部最優秀賞に輝いた。父母から伝え聞いた東日本大震災の体験をもとに防災の大切さを描いた。コンクールは、過去の災害の記憶と教訓に触れ、防災につなげてもらうのを狙いに県が主催。4回目の今回は、52校から132人が応募した。入賞した40点は13日まで県庁2階回廊に展示されている。和田さんの母は発災時、勤務先だった石巻市の保育園が津波に襲われ、園児たちとともに3日間、園に身を寄せた。玲さんに当時の体験を聞かせているほか、昨年4月には児童と教職員計74人が津波の犠牲になった石巻市大川小を案内した。

 

高校生が学生と懇談

 宮城誠真短大で7日、本年度最後のオープンキャンパスが行われ、来年度に受験を検討している高校生と保護者35人が、保育者を育てる同短大の特徴や雰囲気をつかんでいた。同短大は、幼児教育や保育の現場を志す学生が学ぶ保育系短大。この日は、間もなく卒業を迎える2年生有志9人が高校生と懇談。「実習で作った教材が思い出深く、捨てるに捨てられない」など、自身の体験をもとに学生生活について語った。高校生たちも「昼食は何を食べているのか」「幼稚園と保育園のどちらを目指すか悩んでいる」といった質問を投げかけていた。

 

市民らの力結集し復興

 伊藤康志市長は3日の定例記者会見で記者からの質問を受け、15年目となる東日本大震災について振り返った。伊藤市長は「市民や団体の力を結集し復旧、復興計画をほぼ完遂することができた」と述べ、「単独の自治体のままであったらここまで復興はならなかった」と、合併した効果を語った。伊藤市長は「合併した大崎の実力が問われる災害だった。旧市町の職員、消防団、団体の災害体験が一つになり、復旧、復興に立ち向かうことができた」といい、「合併前からの姉妹都市や友好都市からも支援の手を差し伸べていただいた」と感謝した。

 

小中高生の成果一堂に

 書道教室「鳳堂教室」の作品展「塵積成山2026文化のかけ橋一年展」が6日から3日間、大崎市鳴子温泉の山荘母里乃館で開かれた。小中高生の生徒約40人が昨年1年間で書いた約1700点が館内にずらりと並び、訪れた人たちの目を引いていた。鳳堂教室は、同市岩出山に本部を置く書道団体「宮城書芸院」の副会長を務める書家、佐々木鳳堂さん(65) が、同市岩出山西大崎、岩出山真山、田尻の3地区と加美町、大衡村で毎週開いている。作品展は、教室の子どもたちが日々研さんを積んだ成果を保護者らに見てもらおうと、おととしから開催。書家で妹の鹿野理香さん(61)が教える上野目教室(岩出山)の作品も併せ、漢字や漢詩、かな、細字、ペン字などを壁や戸棚、障子戸に隙間なく展示した。

 

被害状況伝える写真展示

 加美町の中新田図書館(門脇ひろえ館長)展示ホールで「震災記録・防災パネル展」が開かれている。東日本大震災や復興の歩みを記録した新聞、書籍などが展示され、日頃の防災知識も紹介。当時を振り返り防災への理解も深まる展示となっている。22日まで。同館は震災に焦点を当てた展示を行ってきたが、昨年から展示のテーマに「防災」を加えた。「震災を忘れることなく、前向きに防災に取り組んでいこうという思いがあった」と、担当の木戸口茜司書(28)。会場には、東日本大震災や復興に関する記念誌や写真集、震災の経験をまとめたノンフィクション本、絵本といった書籍約120冊、新聞記事、当時の同町の被害状況を伝える写真などが展示され、当時の記録映像を上映。防災情報として、食品備蓄方法や身近なもので簡単に作れる防災工作、非常用保存食なども紹介している。

 

命を守る大切さ訴える

 東日本大震災の発生から間もなく15年の節目を迎える9日、大崎市松山小でことしも追悼集会が開かれた。七十七銀行女川支店に勤務中、津波に遭い亡くなった田村健太さん(25)=当時=の両親、孝行さん(65)と弘美さん(63)が全校児童162人に講話。健太さんが野球に汗を流した母校で、命を守る大切さを訴えた。県内の小学校での講話は初めてで、健太さんの卒業記念写真がスライドで映し出された。絵本「ふしぎな光のしずく−けんたとの約束−」の読み聞かせを交え「たくさん勉強して正しい知識を身に付け、自分ならどう行動するか考えて」「健太のように、生きたくても生きられなかった人がいる。今という時間を輝かせて」と訴えた。