ことしの漢字は「稀」
官公庁仕事納めの26日、大崎市役所では伊藤康志市長が幹部職員らの前で訓話し、2025年を漢字「稀(まれ)」で総括した。鳴子ダム(同市鳴子温泉)の貯水率ゼロ状態が1カ月半に及んだ記録的渇水、クマ大量出没に伴う独自の緊急事態宣言発令など「極めて稀な出来事」を真剣な表情で列挙した伊藤市長。一転して頬を緩め、本州初の公設公営日本語学校開設、流域治水実現を目指す東北初めての特定都市河川指定(鳴瀬川水系吉田川ほか)を紹介し「全国から注目される稀な話題もあった年」と。その上で「良い意味の稀を一過性にせず、逆の稀は教訓とし、希望あふれる新年を迎えたい」と力を込めた。
小牛田農林高生育てたコメ販売
小牛田農林高の生徒が授業で育てたコメ「稲章米」が26日、美里町の特産品を販売する町総合案内所の取扱品に加わった。2種類あり、このうちコシヒカリは大崎地方では珍しいという。町は、同校と町のPRにつながることを期待している。稲章米は、生徒たちが種まきから草取り、収穫までの作業を行い生産している。学習の一環のため生産量が少なく、主に同校文化祭で販売され、外部に出回る機会は限られていた。ことしに入り、同校の申し出で町のふるさと納税返礼品に加わったほか、同案内所での販売が決まった。精米済みで、ひとめぼれ、コシヒカリともに3㌔㌘入りで税込み2700円。精米と包装を手掛けた「タカショク」(栗原市高清水)によると、等級検査は受けていないものの1等米相当で、今夏の渇水を乗り越えて高い質を維持した。
南郷中跡地 人集う場に
3月に閉校した美里町南郷中跡地を人が集まる場としてよみがえらせようと、宮城大の学生たちが来年6月、プロジェクトに乗り出す。企業を交えた産学官連携の取り組みで、住民が気軽に交流や宿泊に活用できる「第3の居場所」として学校再生モデルの確立を目指す。発表会を18日に町役場で開き、プロジェクトの概要や成功に懸ける思いを語った。町と同大、経営コンサルタント「フォーバル」(東京都)が連携し、9月に本格的に始動。同大事業構想学群の3年生8人が現地を訪れたり学内でワークショップを重ねたりしたほか、同社のノウハウも参考に跡地の10年後を見据えて検討を重ねた。デジタル技術との融合や「夜の学校」としての活用などさまざまなアイデアを検討したところ、「南郷中はまだまだ廃校ではない。学校として復活させたい」という結論にたどり着いたという。テーマに据えたのは、朝と昼、夜の時間帯ごとの活用法と「日常的に集うことができる場」「夜の学校という非日常感」。活動プログラムにスポーツと学び、ビジネス、学生スナック・交流を掲げる。
宮城仙北ボーイズ 卒団式
中学生硬式野球チーム「宮城仙北ボーイズ」第14期生の卒団式と3年生を送る会が20日、大崎市古川のグランド平成で開かれた。関係者約150人が出席し、卒団する3年生23人の新たな出発を祝った。仙北ボーイズは2012年3月に発足。現在67人が在籍。14期生は、日本少年野球選手権大会東北中央支部予選会(6月)で優勝し、3年連続8度目の全国大会出場を果たしたほか、日本少年野球東北大会(7月)を2連覇。昨年、選手権大会で東北勢初の全国制覇を果たした勢いに乗って活躍した。式には、神宮大会4強入りした花巻東高はじめ、東北高、学法石川高、浦和学院といった強豪高野球部の監督らも出席。泉勝幸代表が3年生一人一人に卒団証書、記念品のボールなどを手渡し、「誰からも愛され、応援され、慕われる選手になってほしい。春からの高校生活を有意義に送って」と激励した。

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