寒風吹く中を托鉢
大崎地方の曹洞宗寺院若手僧侶でつくる県曹洞宗第9教区青年会(会長・青木崇玄妙伝院副住職)は18日、大崎市古川福沼などで「歳末助け合い托鉢」を行った。参加した青年僧10人は寒風が吹く中、住宅街などを行脚して市民から浄財を募った。この日は晴れたものの、肌を刺すような冷たい風が吹く寒い一日に。僧侶たちは檀家らに見守られながら龍洞院(古川江合本町)を出発。読経しながら住宅地や富光寺(古川李埣)、宮城誠真短大前など約5㌔を行脚し、携えた鉢や首にかけた餉箱に浄財を受け取った。住民たちは僧侶の鳴らす鈴の音が聞こえると、沿道に出て「ご苦労さまです」と声を掛けながら寄金し、一人一人に手を合わせて見送った。
多文化共生フェス
日本人と在住外国人の交流イベント「おおさき多文化共生フェスティバル」(大崎市主催、大崎タイムス共催)は11月30日、市役所屋内広場であり、大勢の来場者が人種も国籍も超えて友情を深めた。市立おおさき日本語学校誕生を足掛かりとする「多文化共生のまちづくり」実現への取り組み。前回までのシンポジウム形式から趣向を変え、来場者主役のイベントに。インドネシア舞踊、モンゴルの楽器「馬頭琴」などが次々と披露され、アジアの菓子、飲み物が味わえるブースには家族連れの列ができた。
ウオーターPPPで議論
大崎市議会12月定例会は18日、一般質問の2日目を迎え、7人が執行部の施策をただした。水道事業を官民連携で運営する「ウオーターPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)」の再考を迫る質問があり、伊藤康志市長は「完全な民営化ではなく、安定的な経営のため導入の可能性を検討している」と語り、理解を求めた。「ウオーターPPP」は、上下水道、工業用水道の民間委託を、維持管理のほか施設の修繕や更新などにも広げる手法で、国が導入推進を図っている。質問では「世界で民営化後に水道事業を公営に戻す例が増えている」「議会に説明が行われていない。3月まで結論を出すのは危険」との批判があった。伊藤市長は「完全な民営化ではなく、施設所有権を保持したまま業務の一部を民間に委ねるもの」「持続的な運営、健全経営のため有効な手段の一つ」と説明。「海外での事例は、発注者が求める水準が明確でなかったことが理由とされ、重要な検討課題。総合的に慎重に検討する」と答弁した。
ねぎらいの言葉相次ぐ
一般質問が行われた18日の大崎市議会12月定例会。登壇した議員からは、今期限りでの引退を表明した伊藤康志市長に対し、20年の市政運営をねぎらう言葉が相次いだ。伊藤市長に厳しい姿勢で論戦を繰り広げてきた日本共産党市議団の小沢和悦議員は、パークゴルフ場建設請願の紹介議員となった思い出を語り、「請願採択後、『明日、知事に三本木の県有地活用をお願いする』と早速行動してくれ、実現へ大役を果たしてもらったことは今も忘れていない」と振り返った。
持続可能な財政運営へ
美里町は11日の議員全員協議会で、第5次町財政計画(2026~30年度)の案を示した。来年度以降の形式収支が2億円規模の赤字を見込むなど厳しい財政環境を予測し、持続可能な財政運営に向け、財源調整による収支赤字改善や歳出構造の転換を進める。
年末年始の労災ゼロへ
古川労働基準監督署(相澤隆之署長)と宮城労働基準協会古川支部(木田秀隆支部長)は10日、事業所の安全衛生パトロールで色麻町四竃の電気機器部品製造「ヤマセ電気」本社工場を訪れ、安全衛生に関わる取り組みを視察した。この日は、相澤署長や木田支部長ら8人が工場を訪問。整理、整頓、清掃の「3S」が行き届き、従業員が安全で快適に過ごせる環境に「わが社でも取り入れたい」と感心する一方で、直角の曲がり角にカーブミラーの設置を提案するなど、いっそうの安全性向上を指導した。
ビジョン型経営学ぶ
農業者の高齢化や後継者不足が続く中、農業の将来像や戦略を明確に定めた「ビジョン型経営」について学ぶ研修会が12日、美里町の県美里農業改良普及センターで開かれた。管内外から若手農業者が参加し、全国の事例に学んだ。若手農家の経営能力向上を支えようと、同センターなどが主催。大崎市や美里町で切り花やトマト、長ネギを生産、出荷している農業者10人が参加した。同町の経営コンサルタント、庄司和弘さんがビジョン型経営の可能性について「農業は個人経営から人材を雇用しての大規模経営に移行している」と強調。農業生産法人が1995年からの四半世紀で6倍余りの3万1000団体に急増したことに触れ、法人化の利点を説いた。
落語とチンドン一座鑑賞
古川農協(佐々木浩治組合長)主催の「年忘れ、落語で笑(ショー)タイム!」が10日、大崎市古川の大崎生涯学習センター・パレットおおさきで開かれ、約200人が落語やチンドン一座の演芸を鑑賞し、年の瀬のひとときを楽しんだ。地域高齢者が集う場づくりをサポートするJA古川型福祉活動「わいわい茶論」の一環として毎年この時期、落語家や芸人を招いて開催。この日は、古典落語を東北弁にアレンジした独自の語りで活躍する落語家・六華亭遊花さんと、仙台のチンドン一座「仙臺なごみ家」が出演した。遊花さんは、偽の易者に扮することになってしまった宿屋の通い番頭・善六が、偶然にも問題を解決する騒動劇「御神酒徳利」など二つの演目を上演。親しみある東北弁の軽妙な語り口、複数の登場人物を身ぶり手ぶりで演じる表現力と扇子を小道具に見立てる技などで観客を魅了した。
カレンダー原画展
美里町練牛の詩画家、ひろさん(65)=本名・佐々木浩さん=のカレンダー原画展が町近代文学館で開かれている。同町誕生20周年を記念し企画。自然や子どもを描いた懐かしさを感じさせるイラストが並ぶ。21日まで。ひろさんは書籍の装幀、イラストカットを手掛けたり、大崎タイムスに「おむすびの詩」を連載したりするなど多方面で活躍。昨年はコロナ禍から着想し、はやり病に立ち向かう少年を描いた童話「烏少年」を刊行した。展示会は、町誕生10周年に開催して以来2回目。17年分から来年分向けの原画のほか、烏少年の挿絵と一部シーンを再現したオブジェ計103点を展示。郷愁を誘う独特の愛嬌あるイラストと詩の組み合わせが来館者の興味を引いている。

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