40年ぶり「大蛇退治」も
ことし発足100周年を迎えた大崎市鳴子温泉の鬼首神楽保存会(後藤錦信会長)は11月30日、オニコウベリフレッシュセンターで記念公演を行った。会員10人は約40年ぶりに披露する「大蛇退治」など3演目を熱演し、約120人の観客を沸かせた。鬼首神楽は、南部神楽にルーツを持つとされる鳴子温泉鬼首地区の伝統芸能。江戸時代後期ごろから踊り継がれ、式舞、劇舞など20以上の演目をお囃子に乗せ、歌とせりふ、踊りで表現する。2016年に市の無形民俗文化財に指定された。同保存会は、明治、大正期に一時衰退した神楽を再興させようと、1925(大正14)年に地域住民たちで発足。「型を変えない」という強いしきたりの下で100年間、地域の伝統を守り伝えてきた。こうした長年の功績が認められ、ことし11月には県教育委員会から文化財保護功労者表彰を受けた。この日披露したのは「鶏舞」「岩戸入り」「大蛇退治」で、このうち大蛇退治は演者不足などで約40年間お蔵入りとなっていた演目。中学生から79歳までの会員が約5カ月の練習成果を発揮し、いけにえとなって嘆く奇稲田姫や、のたうつ大蛇、大蛇と闘う素戔嗚尊などを熱演。観客から大きな拍手が送られた。
障害者福祉に理解を
12月3日から9日までは、障害者福祉への関心と理解を深めるとともに、障害者の社会や経済、文化など各分野への積極的参加を目指す「障害者週間」。これに合わせ、美里町小牛田、南郷両図書館は特設コーナーを設け、障害についての啓発を促す書籍を展示している。南郷図書館では館内の一角にコーナーを設け、一般書約40冊を並べた。障害をテーマにした小説や、映画化され各地で上映中の塩釜市出身の作家、五十嵐大さんの自伝的エッセーもある。義足や人工関節を使っている人、内部障害、難病、妊娠初期の人など外見からは分からなくても援助や配慮を必要としていることを示す「ヘルプマーク」も掲示。積極的な声掛けや災害時の避難支援といった周りの対応について説明している。
大崎地方 今冬初 平野部も積雪
県内は4日、冬型の気圧配置が強まって冷え込み、大崎地方の平野部も今冬初めて積雪を記録した。アメダスによると、この日の最低気温は大崎市鳴子温泉川渡で氷点下3・6度、同市古川で氷点下2・4度、同市鹿島台で氷点下1・6度。日中もあまり気温は上がらず、午前11時現在、古川氷点下1・6度、川渡氷点下1・5度、鹿島台0度だった。この冷え込みで、大崎地方は平野部でも断続的に雪が降り、午前11時までの積雪量は古川で4㌢、川渡で3㌢を記録。古川では植木や車に雪が積もり、出勤前に車の雪を払う人の姿が見られた。
絵画、写真の入賞者表彰
NPO法人古川学人が主催した「第7回芸術コンクール」の表彰式は11月30日、大崎市古川の吉野作造記念館で開かれ、絵画の部と写真の部で入賞した児童生徒に表彰状が授与された。席上、コンクール応募者一同と古川学人からの寄付金3万円がNPO法人大崎タイムス福祉部に寄託された。コンクールには、市内の小中高校と支援学校の児童生徒から絵画と写真合わせて93点の応募があり、この中から絵画9点、写真2点が入賞した。これらの作品はチャリティー展覧会として同館に展示。展示会場には募金箱を設置し、応募者ら来場者が寄金した。表彰式では古川学人の菅原美紀理事長が「吉野は政治学者の枠を超え、困っている人を助ける活動をした。誰かのため自分にできることを考えるきっかけにしてほしい」とあいさつ。その後、同館の氏家仁館長が受賞者一人一人に表彰状を手渡した。
無災害記録1000日達成
加美町孫沢のプラスチック製品製造業「アスカカンパニー東北工場」(佐々木崇工場長、従業員57人)がこのほど、労働災害を1000日間起こさなかったとして、中央労働災害防止協会(東京都)から「中小企業無災害記録証」を受けた。記録証は安全で快適な職場づくりを促すのが狙いで、都道府県労働基準協会を通じ申請する。従業員数(10~99人)と業種(37種)、無災害日数(200~1万150日)別に金賞から努力賞まで5種類ある。同社が今回受けたのは上から4番目に当たる進歩賞で、2022年7月9日からことし6月8日までの記録が認められた。
子どもの主体性育む
子どもの主体性を育む「モンテッソーリ教育」の講演会が11月28日、大崎市古川のわかば保育園で開かれた。保護者や保育士など40人余りが専門家の話に耳を傾け、家庭で実践できる具体的な方法について学んだ。モンテッソーリ教育は、イタリアの医学博士で教育家のマリア・モンテッソーリ(1870~1952年)が開発した教育法。子どもは生まれながらに自分を教育する力があると考え、大人は子どもが一人でできるよう、発達段階に応じた環境を整える。この日は、日本モンテッソーリ教育総合研究所教師養成センター長の松浦公紀さんが「家庭でできるモンテッソーリ教育のヒント」をテーマに講演。大人は子どもを有能な存在として信頼し、教えたり命令したりするのではなく援助者に徹するべきと語った。

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