「軌道っこ」の姿振り返る
「仙台鉄道、まもなく100年」と題した企画展が、色麻町農業伝習館で開かれている。「軌道っこ」「汽車っこ」と呼ばれ親しまれた仙台鉄道を描いたイラストや資料などが展示され、来館者の関心を引いている。12月14日まで。仙台鉄道は、仙台市の通町駅から古川市(現大崎市)の西古川駅(旧中新田駅)を結んでいた軽便鉄道。同町には当時5駅が設置されていて、地域の経済や文化を支えていた。企画展は、日本郵便東北支社が仙台鉄道全線開通(通町駅-中新田駅)100周年のオリジナルフレーム切手を発行したことを記念し、町教委が実施。切手作成に協力した「色麻歴史訪ね歩き会」と連携し、イラストなど約50点を展示した。展示の中心は、仙台鉄道の車両や駅の風景を、記憶を基に描き続けた利府町の画家、故児玉泰隆さんが手掛けたイラスト。王城寺原駅の風景や鳴瀬川を渡る仙台鉄道など、柔らかな水彩のタッチと細やかな描写で当時を表現している。
「四季島」本年度ラストラン
豪華寝台列車「トランスイート四季島」の本年度最終見送りセレモニーが20日朝、JR鳴子温泉駅(大崎市鳴子温泉)であり、地元関係者らが上野駅(東京都台東区)へ旅立つ列車を送り出した。セレモニーは市と観光団体などでつくる実行委員会の主催。「四季島」が陸羽東線乗り入れで同駅に立ち寄るたび、ブランド米「ささ結(むすび)」のおにぎりを振る舞ったり、入浴剤を配布したりと、心身温まるサービスを乗客へ提供してきた。国内だけにとどまらず、海外でも高い知名度を持つ寝台列車は観光誘客の〝希望の星〟的存在だ。市観光交流課によると、今回の乗客30人のうち4人がインバウンド(訪日外国人客)。実行委の伊藤康志会長(大崎市長)はあいさつで「地域を挙げたおもてなし」の継続を呼び掛け、リピーター増に期待した。
最優秀賞に近藤さん(金成小中9年)
第44回全国中学生人権作文コンテスト大崎・栗原地区大会の表彰式が15日、美里町文化会館であり、最優秀賞の近藤南帆さん(金成小中9年)ら入賞者に賞状が手渡された。近藤さんの作品「誰にも見えない心」は自分自身の〝いじられ〟体験が題材。友人に突然「つまんな(い)」とそっけない態度を取られて「人からどう思われているのか不安でたまらなくて、どうすれば『正解』なのか」思い悩むように。「渦中にいる私にとって『いじり』と『いじめ』は変わらない」とし「人を侮辱するような言葉、聞いていて気持ちがよくない発言」で「誰かが傷ついてしまうような環境は、変えていかなければならないと思う」と強く訴えた。
「がんとおカネ」考える
乳がん体験者の会「りんりんの会」の研修会「がんとおカネ『よ~く考えよ~、おカネはだいじだよ~』」が15日、大崎市図書館で開かれた。大崎市民病院の吉田龍一副院長(乳腺専門医)の講演とパネルディスカッションがあり、医療関係者を含め約30人が参加。医療費負担など人には話しづらい悩みを分かち合い、解決の糸口を探っていた。吉田副院長によると、乳がんは患者の5年生存率が高い一方、治療や服薬が長期化し、医療費が高額になっている。講演では公費で支える制度をいくつか紹介しながら、「若い人の負担で成り立っていることも忘れてはならない」と語った。パネルディスカッションでは吉田副院長ら4人が、「がん保険加入前に病気になり、保障を受けられず医療費支払いが大変」「緩和ケア病棟や再発転移、遺伝について知りたい」などの質問に答え、院内がん相談支援センターや患者会を紹介。10月に結成したAYA世代(15歳~30歳代)支援チームに関する話題提供もあった。
探究学習の成果披露
加美町内の小中高生が一堂に会し、探究学習で取り組んだ活動を発表する「探究フェスティバルTHE FES!」が14日、中新田バッハホールと中新田公民館で開かれた。児童生徒たちは学びの成果を披露し合い、交流を深めた。同町は昨年度、県教委が進める志教育推進地区の指定を受け、児童生徒が主体的に取り組む探究学習を導入。各校それぞれ総合的な学習の時間や独自科目の中で志教育に取り組み、将来に向けた生きる力を育んでいる。フェスティバルは、取り組みの一端を保護者や地域住民に披露しながら、小中高生の交流を図ることを目的に初めて実施。7月下旬から中学生15人の実行委員が、フェスティバルを盛り上げるためにイベント名や企画を提案したり、ポスターを制作したりして準備を進めてきた。
特殊詐欺 水際で防ぐ
特殊詐欺被害を未然防止したとして、古川署は14日、新みやぎ農協鹿島台支店(大崎市鹿島台平渡、木村慎也支店長)と、金融窓口担当の安部里美次長に署長感謝状を贈った。安部次長は10月14日、支店内ATMで多額の現金を振り込もうとした60代男性を引き止め、同署に通報し被害を防いだ。署によると、男性は当初、通信事業者と警察官を装う特殊詐欺の手口を信じ込んでいたという。同支店で贈呈式があり、田久裕之署長は「詐欺を見事に看破し、水際で阻止していただいた。金融機関は犯人にお金を渡さない最後のとりで。引き続きご協力を」と呼び掛けた。
子どもたちの心身磨く
元格闘家でタレントの髙田延彦さんが主宰する髙田道場の体育教室「ダイヤモンドキッズカレッジ」が16日、大崎市鹿島台の鎌田記念ホールで開かれ、親子らがオリジナル体操を通して身体を動かす楽しさを体験した。同カレッジは、アマチュアレスリングの要素を取り入れた体育教室で、子どもたちの心と身体を磨く場所として各地で開催。鹿島台で行うのは2019年以来、6年ぶり3回目。この日は鹿島台地域や仙台市内の園児、小学生とその保護者約100人が参加。髙田さんと妻で女優、タレントの向井亜紀さんが講師を務めた。親子がペアになり、マット運動を中心にした体操を実施。マット周りでのジャンプや鬼ごっこ、タオルで引っ張り合うといったトレーニングメニューを次々と行った。このうち「お好み焼き」と呼ばれる体操は、うつぶせの保護者を子どもがあおむけにひっくり返す運動。レスリングの試合でも見られる動きで、子どもは大人をひっくり返すため足腰を使って懸命に挑んでいた。
ステージ発表や作品展
大崎市古川富永地区振興協議会主催の「第18回富永ふるさと祭」が16日、古川農協本店(旧富永小体育館)で開かれた。今回は古川農協本店の移転、開所の記念も兼ねて企画し、同地区公民館で活動しているサークルや個人によるステージ発表、作品展示のほか、野菜や果物の販売コーナーも盛況だった。40年以上続く伝統のイベント。この日、ステージではミラーボールの輝きを浴びながら住民が歌やダンスを披露。中でも、〝しそ王子〟こと粟野敏夫さん(美里町出身)と登米市米山町出身の米山愛子さんの歌謡ショーは大いに盛り上がった。
手作りの新作ずらり
栗原市築館の旧富野小体育館で15、16の両日、「第5回富野地区文化祭」(富野地域づくり協議会主催)が開かれた。児童生徒を含む住民の作品のほか、入の沢遺跡や伊治城跡(いずれも国史跡)など地域の歴史に焦点を当てた展示もあり、訪れた人の関心を集めていた。刺しゅうを用いた絵本や着物を再利用した洋服など約520点を展示し、その大半が新作。偶然の模様が美しいアルコールインクアートは今回が初出展で、花や縁起物などをかたどったつるし飾りが会場を華やかに彩った。中には、全国障害者スポーツ大会の貴重なメダルも。歴史コーナーでは、日本の成り立ちや神楽、地元の史跡について、分かりやすくまとめた展示や動画で紹介。古代国家における栗原の重要性をアピールする内容に、足を止める人が多かった。

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