2025/11/02


オンライン診療開始

 大崎市民病院鳴子温泉分院は10月30日、地域の公民館を会場としたオンライン診療を県内で初めて鬼首地区公民館で始めた。降雪が多い地区からの通院負担を解消するとともに、患者や地域住民が交流する場となることも狙いとしている。同分院のオンライン診療はこれまで、自力通院が難しい施設入所者や在宅療養者に限って行っていた。鬼首地区公民館での取り組みは、同地区在住の通院患者を対象に、月1回実施。高齢者が多いのに加え、同分院まで10~30㌔の距離があり、冬場は大雪で通院が1日がかりとなることもあることから、医療アクセス向上を図ろうと開始した。初日は普段バスや家族の送迎などで通院している患者3人が公民館を訪れ、初めてオンラインで受診。看護師から円滑な通話などで支援を受けながら、担当医師から体の調子を聞かれたり、薬の飲み方について指導を受けたりしていた。

学校給食の課題考える

 学校給食を取り巻く課題について、試食を通して考えてもらう「給食まつり」が10月22日から3日間、美里町美里中であった。保護者や地域住民が同校で提供されている給食を味わい、懐かしさに浸りながら意見を交わした。学校給食の狙い、直面している材料費高騰、アレルギー対策について知ってもらおうと、初めて開催。3日間で計約90人が訪れた。24日の献立は米飯と牛乳、チキンカツ、町産大豆の煮物、郷土料理すっぽこ汁など6種類。栄養教諭の猪又麻理絵さんが原料や調理法の説明に続き、調理室の風景を紹介。床に水を流さず、雑菌発生を抑える「ドライ方式」を採用し、衛生に留意している点を伝えた。

大人のための学校開校

 デンマーク発祥の成人教育機関フォルケホイスコーレをモデルとした大人のための学校「宮城フォルケホイスコーレ」が来年1月、大崎市鳴子温泉の川渡温泉に開校する。これに先立ち、専門家による講演会が10月28日、鳴子公民館で行われた。デンマークのフォルケホイスコーレは、17歳以上であれば誰でも入れる全寮制フリースクール。試験や成績はなく、入学者は講師や同級生との対話を通じて多様な価値観に触れることができる。宮城フォルケは、地域滞在型交流人口を増やそうと、県による農山漁村しごと・くらし体験支援業務の委託を受けたスリーデイズ(本社・同市三本木)が運営。受講生は改装した廃旅館を学びやにアートを学んだり、地域の人たちと交流を深めたりする。

 

大崎産の新米どーぞ

 大崎市古川七日町、商業施設「醸室(かむろ)」内の観光物産センター「DOZO(どーぞ)」はこのほど、大崎産新米の販売を本格的に始めた。地元生産者に感謝しながら、大崎の秋を頬張ってほしいという企画で、食欲をかき立てるご飯のお供も並んでいる。新米の銘柄は、ひとめぼれ、ササニシキ、ささ結(むすび)、ゆきむすび。1㌔㌘入りから5㌔㌘入りまであり、購入者は持ち帰りやすく、少しずつでいいからいろいろな銘柄を食べてみたいというニーズにも対応している。

 

時空超えた大崎の旅

 大崎市古川第三小の4年生147人は、10月25日に開かれた学習発表会で、総合学習の学びを演劇にまとめ披露した。過去や未来に手紙を届ける郵便局員と一緒に子どもたちがタイムスリップし、時空を超えた大崎の旅へ観客をいざなうという内容。4年生が総出演する大作に、会場から大きな拍手が送られた。生活科(2年)の学習を基にした創作劇の続編。古川まつりや江戸時代から続く古川八百屋市(まち)の歴史を調べ、おおさき日本語学校が開校し国際交流や多文化共生の芽が育っていることも盛り込んだ。劇中歌は子どもたちの言葉をつないで作詞し、学年担任が作曲した。40年前の古川まつりの場面では、今ある店舗がまだなく、七夕飾りに賞が付いていることに興味津々。古川八百屋市では「(未来は)病気や冷害に負けないコメができているのかねえ」と言う出店者の思いに触れ、25年後の八百屋市は英語で会話が交わされていた。