2025/11/01


〝無火災の司令塔〟奮闘

 元バレーボール女子日本代表の佐藤あり紗さん(36)=古川学園高出身=が24日、古川消防署の一日署長に委嘱され、市民らに「火の用心」を呼び掛けた。同署(大崎市古川)で委嘱状交付式があり、板垣英明署長から「火災予防を啓発する〝無火災の司令塔〟として広く情報発信を」と激励された佐藤選手。りりしい制服姿で装備点検、広報活動、消防設備の予防査察など各地を忙しく駆け巡った。「高校3年間過ごした古川で一日署長の機会をいただき、本当にうれしい。火災で悲しい思いをする人が出ないよう活動したい」と気合も十分。市役所での広報活動では、選手時代をほうふつさせるフットワークで来庁者一人一人に啓発グッズを手渡し、記念撮影の求めにも笑顔で応じていた。

 

会場彩る書と盆栽

 「第58回大崎市古川市民文化祭」展示の部前期が31日、市民ギャラリー・緒絶の館で始まった。芳琴社書の教室と古川盆栽同好会の作品が会場を飾り、訪れる人を楽しませている。11月2日まで。芳琴社は初の試みとして、奥州藤原氏が中尊寺に奉納した「紺紙金銀字交書一切経」をモデルにした写経に挑戦。紺色の紙に金銀のペンで般若心経を書いた作品で、平泉世界遺産ガイダンスセンター(岩手県平泉町)からセットを取り寄せた。

鳴子消防署の改修完工

 大崎広域行政事務組合が2009年から進めてきた庁舎改修・新築事業の仕上げとなる鳴子消防署庁舎の大規模改修工事が、このほど完工した。長期使用を見据えた補修とともに、コロナ禍の経験から感染症対策を施し、管内で唯一未整備だった女性職員のための勤務環境も整えた。庁舎改修・新築事業は、遠田消防署を皮切りに順次進めてきた。1990年に供用開始した鳴子消防庁舎は、鉄筋コンクリート造2階建て。昨年6月5日に着工し、9月25日に完工した。

 

交通死亡事故ゼロ1年間

 加美町は14日で交通死亡事故ゼロ1年間を達成し、県警本部長から「祝詞」が贈られた。27日、町役場で伝達式があり、加美署の古澤英幸署長から石山敬貴町長に手渡された。伝達式には、町の交通安全関係団体代表ら10人余りが出席。古澤署長は「皆さんの努力の成果が交通死亡事故ゼロ達成につながった。加美町は関係団体の集まりが良く、統制もとれている。各団体をまとめられている方々のたまものであり、感謝したい」とねぎらった。

 

AI活用し方言翻訳

 先進的な科学技術、理数教育に取り組む文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている古川黎明高で23日、SSHに基づく授業「SS探求Ⅱ課題研究」の中間発表会があり、2年生が成果を披露した。このうち801班は、AIを活用して加美郡の方言を翻訳するアプリの開発に取り組んでいる。課題研究は、班ごとに1年間かけて実験やフィールドワークに取り組む必修科目。大崎地方の特産物を使った商品開発、多文化共生のアイデアなどテーマはさまざまで、この日は53の班が研究や実験の中間成果を模造紙1枚にまとめ、同級生や教員、招待した企業、団体、大学の代表らを前に発表した。

 

3人の創作茶席入賞

 東北職業能力開発大学校(栗原市築館)専門課程住居環境科2年の学生3人が制作し、「建築文化週間学生ブランプリ2025『銀茶会の茶席』」(日本建築学会主催)に挑んだ作品がこのほど、入賞および審査員賞を受賞した。21日に栗原市役所を訪れ、佐藤智市長に報告した。同グランプリは建築を学んでいる全国の学生を対象に、毎年10月、東京・銀座通り周辺で行われる野点大茶会「銀茶会」で実際に展示、使用する創作茶席の提案を募集した。同大学校から応募したのは加藤萌さん、佐々木舞さん、日出山皐さんのグループ。作品名はスズムシを意味する「月鈴子」。実って首を垂れる稲穂で包むようなデザインで、茶席空間が外から見えにくくなっているのが特徴。1カ月ほどで第1次審査用の模型を完成させ応募したところ、全国45チームの中から第2次審査へ進む4チームに選ばれた。

 

最新の測量技術学ぶ

 農業土木コースの高校生たちが測量技術を学ぶ講習会が21日、小牛田農林高であった。県内外の建設会社と測量会社、重機レンタル業社の関係者が建設業の労働環境を巡る近年の改善状況に触れ、魅力を伝えた。講習会では、同校OBで菅甚建設(大崎市鳴子温泉字川渡)監理技術者の泉勝幸さんら7人が、同校農業技術科農業土木コースの1年生34人に講義。測量に用いるレーザースキャナーやドローン、電動バックホーなどの展示、搭乗体験もあった。

 

災害時に救援物資供給

 県内で食品スーパーなどを展開する「ウジエスーパー」(本社・登米市、氏家良太郎社長)と色麻町は23日、災害時に救援物資を供給する協定を結んだ。災害時に、町が要請する場所へ迅速に物資を運搬するという内容で、同社が協定を結ぶのは県内で5例目。同社は、住民の生活安定を図る社会貢献活動の一環として、2012年から県内の自治体と同様の協定を結んでいる。これまで美里町、利府町、登米市、加美町と締結した。