2025/10/16


クマ対策でカキ収穫

 加美農業高(色麻町黒沢)農業機械科の2、3年生9人は14日、加美町宮崎西原地区で放置されているカキの収穫作業を行った。参加したのは、課題研究「獣害対策チーム」の生徒たち。同校aが同町と8日に締結した包括連携協定に基づく初の事業で、生徒たちは作業に汗を流し、地域貢献に一役買った。 同校は2020年から色麻町と連携し、フィールドワークとして放任果樹の収穫や防獣ネット、わなの設置などを実施。ことしからは住民が参加するグループチャットで情報共有し、「加美農防衛隊」として町内の獣害対策に取り組んでいる。一方、加美町はクマの目撃、出没件数が大幅に増え、8日に「クマ出没非常事態宣言」を発令。収穫されないまま放置された果樹はクマを人里に誘引する要因となることから、同校との初連携事業で獣害を防止しようということになり、防衛隊が〝出動〟した。

崩落した丸山橋復旧

 2022年夏の記録的大雨で崩落した丸山橋(大崎市岩出山下野目、市道窪川原線)が復旧し3日、現地で開通式典があった。11月には復旧事業に伴う道路整備も完了する見込み。蛭沢川に架かる丸山橋を巡っては被災直後、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(テックフォース)が技術的調査を実施。仮設橋設置でしのぎつつ、国の災害復旧事業として市が3年がかりで架け替え工事を進めた。市建設課によると、新たな橋は長さ30・2㍍、幅4㍍で総事業費4億6000万円。最新基準の橋梁形式という。

男女共同参画実現へ

 大崎市男女共同参画推進審議会は6日、「第4次市男女共同参画推進事業計画」(2024年策定、計画期間24~28年度)に基づく主要事業の年度評価を伊藤康志市長へ答申した。審議会は学識経験者とまちづくり団体の代表、公募の市民ら計15人で構成。諮問に基づき担当課へのヒアリング、意見交換を重ねてきた。答申では、市が庁内横断的に取り組む男女共同参画と多様性社会実現への各施策、人権侵害・DV対策、学校教育と社会教育の場におけるジェンダー教育推進など、評価対象27事業中22事業を「妥当」、残る5事業について「修正が必要」とそれぞれ結論づけた。その上で、市立おおさき日本語学校設置を背景に「文化や言語の違いを超えて互いを尊重し合える関係を築くことは、地域の持続可能性を高める上で不可欠」と所見を加えた。

 

過去の水害被害学ぶ

 涌谷町涌谷中(生徒数324人)の1、3年生計約200人が7日、校内外で、過去の水害による破堤箇所を見学したり、個別防災行動計画(マイ・タイムライン)を作ったりして身近な災害危険性や災害時の備えについて考えた。地域特性に応じた防災活動について行政区別に学んでもらおうと、3年生を対象に約10年前に始めた。5年ほど前には1年生を加え、下級生への伝達も図っている。ことしは14カ所で実施。このうち江合川沿い4行政区の32人は、新丁頭ふれあいセンターと近くの堤防を訪れ、行政区長や自治会長ら8人の話を聞いた。2の2区の吉目木克彦区長(73)は、昭和25年8月洪水(1950年)で地元3カ所の堤防が決壊したほか、関東・東北豪雨(2015年)でも漏水寸前に至ったことを説明。「常に備えを忘れず、災害が起きた際は地域の一員として避難介助や物資運搬を手伝ってほしい」と呼び掛けた。

 

鳴子峡をきれいに

 東北電力ネットワーク古川電力センターと大崎市内のグループ企業4社は8日、紅葉シーズンを控えた鳴子峡で清掃活動を行った。清掃は、観光客らに鳴子峡の豊かな自然を楽しんでもらおうと、2005年から毎年この時期にレストハウス周辺や駐車場、付近の国道47号沿いなどで行っている。ことしは10月に入ってクマの目撃が急増していることから、大深沢遊歩道での作業は見送った。

 

「総文」奨励賞を報告

 第49回全国高校総合文化祭(7月、香川県)自然科学部門(研究発表・生物)で奨励賞を受けた古川黎明高自然科学部の部員が8日、県庁に佐藤靖彦教育長を表敬した。入賞を報告、今後の活動に向けて激励を受けた。ことしの総文では、15部門に県内から184人が派遣され、6部門で8校が入賞した。同部が出展したテーマは「ユスリカ科二属の酸性泉の適応進化」。強酸性火口湖の潟沼(大崎市鳴子温泉)周辺に生息するハエの一種、ユスリカに関心を持ち、川原毛地獄(秋田県湯沢市)など東北各地の野湯でユスリカを採集、系統を調べ、新種とみられる種も発見したという。この日、総文のほか、全国高校写真選手権大会や全国高校囲碁選手権大会の入賞者ら9校の12人が県庁を訪問。佐藤教育長は「全国や世界での県代表の活躍、入賞は誇り」と生徒たちの健闘をたたえた。

 

細いペンで細密に表現

 先が細いペンで絵を描く美里町の雪月ふーか(本名・大槻あゆみ)さんの個展が、大崎市古川七日町のしあわせ美じゅつ店で開かれている。絵を志した学生時代から障害者雇用で絵をなりわいにしている現在までの、作風の変化に触れることができる。11月2日まで。愛用するペンは、ペン先わずか0・1㍉。新作を交え、約30点を展示した。「植物を束ねる」と題した作品は、ガーベラやシクラメンに想像の花を加えたブーケを描いた。花びらや葉の陰影まで細密に表現され、ピンク色に染められたリボンがアクセントになっている。また、動物を擬人化した作品群は「不思議の国のアリス」をイメージしたという。

 

「大崎耕土」の魅力写す

 結成10年を迎える大崎地方の写真愛好家サークル「美里フォトクラブ」の写真展が、美里町近代文学館で開かれている。世界農業遺産「大崎耕土」を写した140点余りを月別に並べ、魅力を来館者に味わってもらっている。26日まで。前身の「グループフォト72」(1972年結成)からサークル名を改めて10年。今回、同町や大崎市古川の会員4人が、遺産認定の翌年(2018年)から撮りためた作品を掲げた。内川(大崎市岩出山)や居根久(同市古川)、渡り鳥、ふゆみずたんぼ、稲作といった大崎耕土の遺産や伝統、暮らしの風景を切り取った作品が並ぶ。4人による共同作品は、直径1㍍の円内に写真50点を貼り合わせた。