全国こけし祭り開幕

70回の節目を迎えた「全国こけし祭り」が6日、伝統こけしの産地、大崎市鳴子温泉で始まった。主会場の鳴子小体育館には、伝統こけしや新作こけし約2400本がずらり。全国から訪れた老若男女のこけしファンが作品を買い求めたり、工人の実演を間近で見学したりしている。7日まで。祭りは、こけし研究の第一人者でもあった童話作家・深沢要の歌碑「みちのくは遥かなれども夢にまでこころの山山こころのこけし」が温泉神社境内に建立されたことを記念し、1948年に鳴子こけし祭りとしてスタート。次第に鳴子系こけし以外の伝統こけし10系統作品も集まるようになり、1953年に改称した。早朝から会場周辺に並んでいた来場者は、開場と同時に目当ての出店や即売コーナー、コンクール審査品や過去に最高賞を受賞した名誉工人の作品が並ぶ予約コーナーなどを訪れ、こけし一本一本をじっくり吟味。招待工人が直売する「こけし横丁」では〝推し〟の工人と会話を楽しみながら作品を購入していた。
最高賞に鈴木さん(作並系)

「第70回全国こけし祭り」に合わせた伝統こけしのコンクールが4、5の両日、大崎市鳴子温泉の旧鳴子小体育館で行われた。こけし研究家ら学識者による審査委員10人が、全国のこけし工人73人から出品された255点を審査し、32点の入賞作品を決定。最高賞の全国こけし祭り会長賞・文部科学大臣賞には、仙台市の鈴木敬さん(31)=作並系=が選ばれた。鈴木さんは1994年7月、こけし工人鈴木明さんの次男として生まれ、幼い頃から木地修業を志し、石川県挽物轆轤技術研究所を卒業。伝統こけしの研究に熱心で、受賞作は作並系の名工高橋胞吉(1861~1939年)の写しを制作。「古風な味わいを再現しつつ、若々しい感性を反映した第一級の胞吉写し」と評された。5回に1回設けられる厚生労働大臣賞は福島県いわき市の佐藤誠孝さん(78)=弥治郎系=、70回記念全国こけし祭り未来賞は鳴子温泉の柿澤是伸さん(51)=鳴子系=がそれぞれ受賞。大崎タイムス社賞には、秋田県湯沢市の三春文雄さん(71)=木地山系=が選ばれた。
補正予算案など31件提出
大崎市は4日、10日開会の市議会9月定例会に提出する31案件(予算5件、条例5件、決算5件、健全化判断比率等2件、人権擁護委員候補者推薦の諮問3件、その他6件、報告5件)を発表した。本年度一般会計補正予算案は5億401万円を追加(補正後総額655億8013万円)する内容。主な歳出項目は、国の物価高騰対策で支給する定額減税補足給付金1億4161万円、道路橋りょう維持補修経費1億4000万円、農地利用効率化等支援交付金の追加1453万円など。条例案のうち「市消防団条例の一部を改正する条例」案は、現在2430人の消防団定員を2064人に減らすもの。市によると、人口減と高齢化に伴い新規入団者は年々減少傾向にあるという。可決されれば10月1日施行。
県最低賃金初の1000円超え
宮城労働局は4日、県の最低賃金(最賃)について現行から65円引き上げ、時間額(時給)1038円に改めることを公表した。1000円を超えるのは初めて。引き上げ率は6・68%で、前回(5・42%)を上回って過去最大を更新。10月4日から適用される。影響を強く受ける中小企業や小規模事業者を対象に業務改善に向けた助成金など各種支援策を周知している。
涌谷町に3年連続寄付
廃棄物処理施設の運転管理などを手掛ける「三機グリーンテック」(神奈川県大和市)は3日、企業版ふるさと納税を活用し、涌谷町に寄付金(寄付額非公表)を寄せた。寄付は3年連続で、町は同社に感謝状を贈って謝意を伝えた。同社は、同町に立地する大崎広域東部クリーンセンターの改良工事を受注し、来年度にかけて施工を進めている。そうした縁で2年前から毎年、町への寄付を続けている。
コメントをお書きください