不戦の誓い後世へ

80回目の終戦の日を迎えた15日、大崎地方各地でも戦没者を慰霊する式典が執り行われた。国民の大半を戦後生まれが占め、当時の混乱や悲惨さ、不戦の誓いを後世に語り継ぐ課題に直面しながら、遺族や関係者たちは英霊に思いを寄せていた。色麻町戦没者慰霊祭は町保健福祉センターで行われ、300人を超える町内の戦没者に祈りをささげた。同町で慰霊祭が開かれるのは1995年、終戦50周年の追悼式・慰霊祭以来で、30年ぶり。色麻町遺族会(橋本一意会長)が主催。地元2神社の宮司が祭司を務め、早坂利悦町長や天野秀実町議会議長、遺族ら約40人が参列して玉串をささげ、慰霊のことばを述べた。30年前の慰霊祭は町体育館で実施。遺族会には約170人が在籍しているが、「以前は体育館で行うほど遺族の数が多かった。今は戦争体験者も遺族も少なくなった」と橋本会長(87)。慰霊のことばでは「戦争の悲惨さや平和のありがたさを次の世代に伝えることが私たち遺族の使命だ」と訴えた。
ノリノリの盆踊りも

大崎市松山の「まつやま夏まつり」(実行委員会主催)が14日、市松山公民館前広場を中心に開かれた。住民の6割に上る約3200人が来場。新たなプログラムを取り入れ、ことし55年を迎えた松山の夏最大の祭りを地域挙げて盛り上げた。1970年に始まったイベント。公民館へ続く中央商店街400㍍余りは歩行者天国に。このうち約200㍍沿いには、提灯を青竹につるした「提灯七夕」25基を掲げた。県内でも珍しい七夕飾りで、夕暮れとともに点灯すると、辺りを幻想的に彩った。フィナーレを飾ったのは、再ブームが続くダンスポップ「ダンシング・ヒーロー」の盆踊りバージョン。子どもたちを中心に30人ほどが踊り出すと、乗りのよいリズムと簡単な振り付けに周りの観衆も一人、また一人と加わり、お盆の夜を熱く盛り上げていた。
地方鉄道の可能性探る
「全国高校生地方鉄道交流会」(全国高校生地方鉄道交流会主催、大崎タイムスなど後援)が8日から3日間、美里町で開かれ、鉄道を活用した地方活性化のアイデアを高校生が発表した。町内外の観光資源や既存施設を結び付けた周遊ツアーや駅弁の新開発、事業費の調達法に至るまで柔軟な発想に基づいたユニークな案が飛び出した。交流会は14回目で、県内では初めての開催。美里町の観光資源発掘と誘客をテーマに、企画、写真、動画の3部門で案を募り、写真部門には48人、動画部門には4校から応募があった。相澤清一町長ら5人が審査した。企画部門は、8都府県10校の鉄道研究部や愛好会の中高生76人が駅東地域交流センターで8分以内で発表した。東京農業大第二高中等部(群馬県)は、同町や大崎市に静態保存されている蒸気機関車(SL)をSLで巡るツアーやオリジナル駅弁開発、鉄道資料館の設置を提案。非電化の陸羽東線へ蓄電池駆動電車の導入も訴えた。
旧知の2人コンサート
サクソフォンとピアノのコンサート「天色のラプソディー 青が奏でる音楽の午後」が10日、大崎市地域交流センター・あすもで開かれ、サクソフォン奏者・金子ひとみさん、ピアニスト・野原みどりさんの旧知の2人が美しい演奏を届けた。金子さんは古川女子高、洗足学園大音楽学部を卒業し、フランス国立リヨン音楽院高等科修了。東北各地でサクソフォン、吹奏楽の指導、コンクール審査員として活動している。大崎市在住。野原さんは東京芸術大を首席で卒業後、渡仏。リサイタル活動に加え、国内外のオーケストラと共演するなど活躍。現在、東京芸術大准教授、名古屋音楽大客員教授。2人はフランス時代から親交があり、夏のコンサートは今回が3度目。ベートーベンの楽曲をリストが編曲した作品、海をテーマに集めた日本の曲、映画のテーマ曲などを披露し、アンコールにも応えた。
鳴瀬川、吉田川の魚紹介
国土交通省北上川下流河川事務所はこのほど、管轄する鳴瀬川と吉田川に生息する魚について紹介するパンフレットを作った。同事務所ウェブサイトで公開している。同事務所は生物調査の基礎情報を定期的、統一的に収集する「河川水辺の国勢調査」の一環で、川にすむ生き物を調査している。鳴瀬川水系ではこれまで75種を確認し、このうちギバチやミナミメダカなど15種は数や生息場所が減った「重要種」となっている。パンフレットは、調査結果を活用し作成した。A5判、10㌻。上流から河口まで4種の生息地別に、ヤマメやウグイ、ナマズ、マゴチなど約30種の魚を写真とともに掲載している。
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