2025/08/14


「小牛田空襲」紙芝居で

 第2次世界大戦末期に美里町を襲った「小牛田空襲」の伝承に取り組んでいる沖田捷夫さん(80)=同町駅東=が7日、紙芝居を使って当時起きたことを町内の小中学生23人を含む約50人に語り聞かせ、平和への願いを託した。小牛田空襲は1945(昭和20)年8月9、10の両日、米英軍艦載機が交通の要衝の小牛田駅を中心に爆撃、機銃掃射し、20人以上が犠牲となった。沖田さんが理事長を務める遠田地区護憲平和センターは1月、空襲体験者の証言をもとに紙芝居を制作。それを基にこの日、町駅東地域交流センター主催の講話で講話した。沖田さんは「列車が爆撃されたとき、近くの田んぼで仕事をしていた女の人2人も即死しました」「このように目標への爆撃は周りの人も家も巻き込んだのです」「先の戦争で、旧小牛田町内の軍人の死者は618人、戦争関連死も含めたら相当の人が犠牲になったと思います」と読み聞かせた。

絵画のようなフラワーアレンジ

 大崎市古川のフラワーアレンジメント講師、氏家智代美さんによる初の個展「夏の終わりの美術展」が、同市古川大崎の浄泉院で開かれている。額縁にまるで絵画のように造花を配置するオリジナル作品10点が並び、来場者の目を引いている。17日まで。古川小野で「アトリエ花ふわり」を主宰する氏家さんは2019年から、モネやゴッホといった洋画家の風景画に着想を得た独自表現を追求。一般的なフラワーアレンジメントと異なり、造花を置かない余白を大きく取るのが特徴で、都内や海外、インターネットなどの美術展に精力的に出展し、数々の賞も受賞している。

都市計画道整備見直し

 大崎市は、都市計画道路の整備計画を本年度から3年かけ見直すことにしており、本格的な作業に入る。市の整備計画は旧古川市時代の1950年に初めて策定され、都市化や車社会の進展に合わせ計画も拡大したが、手つかずの路線が増え、人口減少社会を見据え初めて抜本的な見直しを行う。都市計画課によると、整備計画があるものの未着手なのは41路線で、総延長102㌔に及ぶ。地域別では古川24路線、三本木、岩出山がそれぞれ6路線、鹿島台5路線。整備率は69%で、県平均の81%を下回っている。整備計画の見直しは国の通知により各地で進められている。県内では石巻市、東松島市、丸森町、松島町が、大崎市が導入した調査費補助事業を活用し実施しているという。大崎市は昨年度、交通量を調べるなど基礎調査を行っていた。

 

温泉総選挙投票始まる

 投票で日本一の温泉を決める「温泉総選挙2025」(旅して日本プロジェクト主催)が8日に始まり、大崎地方の関係者も投票を呼び掛けている。投票は10月31日午後6時まで。イベントを通して温泉の知名度を高め、活性化につなげてもらおうと、2016年から官民一体で実施。「絶景」「美肌」など8部門に、全国の温泉地や施設が参加している。県内からはことし、湯治ウェルネス部門に「鳴子温泉郷」(大崎市)、レジャー・街ぶら部門に「加護坊温泉さくらの湯」(同)と「やくらい薬師の湯」(加美町)、秘湯・名湯部門に「陶芸の里ゆ~らんど」(同)がエントリー。やくらい薬師の湯は昨年、同部門で全国1位に輝いており、連覇を狙う。

 

感性光る自由律短歌

 東北福祉大4年の高野健太さん(22)による個展「ここで将来の夢を探しています」が、JR古川駅前のふるさとプラザ2階、大崎市市民活動サポートセンター交流フロアで開かれている。独特の感性が光る自由律短歌が壁にずらりと張られ、訪れた人たちの目を引いている。9月30日まで。高野さんは秋田県出身。小学生の頃から書道を学び、日本習字の初等師範免許を持つ。小説や演劇の脚本、筋トレ、セルフポートレートなど多くの趣味があり、短歌は在学中に始めた。「すに」のハンドルネームで、主にSNS上で活動。防災教育にも関心が深く、能登半島地震ではがれき撤去などのボランティアに従事した。教育関係の仕事を志望し同大へ入学。古川出身の政治学者・吉野作造の教育観に共感し、自身の得意分野でにぎわいを創出しようと、同センターの協力で初めて個展を開いた。

 

蒸し暑い盆の入り

 13日は盆の入り。大崎地方は4日ぶりに晴れて早朝から炎天下となったが、寺院や墓地には多くの家族連れらが墓参りに訪れ、墓前に手を合わせていた。この日は前日までの雨による湿気が残り、蒸し暑い天気に。アメダスによると、午前10時の気温は大崎市古川で29・0度、同市鳴子温泉川渡で30・1度を観測した。大崎市岩出山の来迎寺にも早朝から多くの人が訪れ、吹き出る汗を拭いながら墓石を洗った後、花や線香、茶、菓子などを供え、亡くなった家族や先祖の冥福を祈って手を合わせていた。

 

地元で愛されるピザ店に

 大崎市古川柏崎の伊藤智大さん(47)は、「ぴざキッチンカーおるもすと」を6月上旬にオープンさせた。まだ日は浅いが、石窯を使い、高温で一気に焼き上げるピザは来店者に好評。大きな丸型のロゴを入れた緑色のキッチンカーで、地元を中心に県内のイベント会場へ出向いている。伊藤さんは20年間ほど障害者福祉に携わったが、体調を崩し退職。パンを製造、販売する作業所に勤務した経験を生かし、窯の販売業者が開く教室で腕を磨いたほか、家族や地元で飲食店を営む友人に何度も試食してもらい試行錯誤を繰り返し、自信の味にたどり着いた。看板制作でも友人らに支えてもらったという。「まずは長く続け、多くの人に知ってもらうこと。地元で愛されるピザ店になりたい」と語っていた。

 

温かい音色で会場包む

 大崎市地域交流センター・あすもの「みんなのロビーコンサート」が8日、同センターで開かれた。オカリナサークル「綺羅っと」が出演し、温かみのある音色で昼時の会場を優しく包み込んだ。コンサートでは唱歌や民謡、アニメ主題歌などを、認定講師の青砥玲子さん(大和町)の合図でメンバー11人が演奏。大衡村で活動している万葉ハーモニーがゲスト出演し、エンディングは演奏に合わせて全員で歌い、アンコールにも応えた。同サークルは2015年の結成以来、2教室に分かれて練習し、地域イベントに参加したり、施設を慰問したりする活動を続けている。コンサート終了後、代表の駒井克安さん(86)は「こんなに大勢の前で演奏するのは初めて。緊張したが、一生懸命やることができ、楽しかった」と話していた。