2025/07/26


「奉納こけし」213点ずらり

 日本こけし館開館50周年を記念した「奉納こけし展」が、大崎市鳴子温泉尿前の同館で開かれている。同館が開館した1975年に地元の温泉神社へ奉納されたこけし213点がずらりと並び、こけしの歴史や文化を伝えている。12月31日まで。同館建造のきっかけとなったのは、童話作家でこけし研究家の深沢要さん(1904年~47年)が集めていたこけしコレクション570点が、53年に旧鳴子町へ寄贈されたこと。全国のこけし工人が57年から同神社へ毎年納めている奉納こけしの収蔵、展示場所も必要となり、68年に計画が持ち上がった。同館は、深沢さんが生前構想していた「こけし博物館」を具現化したもので、こけしの製造販売事業者でつくる鳴子木地玩具協同組合が運営。組合所属の工人による実演を行うなど、半世紀にわたってこけし文化の発信、振興に取り組んできた。

陶芸と木工「二人展」

 岩手、宮城両県の陶芸家と木工作家の作品展「木・陶 二人展」が大崎市松山酒ミュージアムで開かれている8月31日まで。出展者は一関市の窯元、井上哲治さん(68)と仙台市で注文家具店「木のしごと 樹々」を営む齋藤英樹さん(51)。共に素材の魅力を引き出す製法にこだわりを持っていることから、各地で合同展を催している。同館では初めての開催となった今回の企画展では、皿や銚子、一輪挿しなどの陶器約250点とテーブルや椅子といった木工作品50点ほどを展示。食卓に食器を並べたコラボレーション展示もあり、互いの魅力を引き立てている。

電動キックボード贈られる

 公道を走ることができる電動キックボード「KS5 PRO」5台が22日、涌谷町に寄贈された。町は実証を進め、観光振興に向けた二次交通への活用を目指すことにしている。寄贈したのは、脚立等製造「長谷川工業」(大阪府)。企業版ふるさと納税を活用し、ことしから全国の自治体に自社製キックボードを寄付している。東北地方の自治体への寄贈は同町が初めて。電動キックボード「KS5 PRO」(税込み約18万円)は、原動機付自転車の扱いで、原付免許以上の運転免許証が必要。1充電当たりの最大航続距離は60㌔、最高時速は35㌔。折り畳み式で重量は23㌔。町は、公用車の一つとして公共施設間の移動などで実証を進める。将来的には、JR涌谷駅から天平ろまん館やわくや天平の湯といった各種施設への二次交通手段として観光客による利用の可能性を探る。

 

組織防災の重要性学ぶ

 大崎市社会福祉協議会松山支所は18日、災害ボランティア研修会を市松山保健福祉センターで開いた。松山地域の社会福祉協力員や民生委員児童委員ら約20人が参加。企業の防災力強化を訴えている「健太いのちの教室」(同市松山)代表理事の田村孝行さん(64)らの話を通じ、組織防災について考えた。地域の防災リーダーの役割も担っている社会福祉協力員や行政区長らに、大規模災害時の対応について参考にしてもらうのが狙い。田村さんは、女川町の銀行に勤めていた長男健太さん(享年25)を東日本大震災で亡くした。健太さんは地震発生後、支店長の指示で2階建て銀行の屋上に避難してとどまり、津波に巻き込まれた。研修会では、松山地域を流れる鳴瀬川が決壊したときの対応について提言。「最悪をイメージして最善を尽くしてほしい」と訴え、市の洪水土砂災害ハザードマップで浸水想定区域や避難場所をあらかじめ確認するように呼び掛けた。

 

多彩に図書館まつり

 大崎市図書館の「図書館まつり」が19、20の両日、同館で開かれた。図書館を身近に感じてもらおうという催しで、今回が8回目。さまざまな本や作品の展示、体験、見学のコーナーが設けられ、3連休とも重なった会場は大勢の人でにぎわった。「ずかんのへや」には、絵や写真が美しい図鑑157冊が並べられた。「あそぼう!つくろう!むかしのおもちゃ」コーナーは、昔からある手作りおもちゃに子どもたちはくぎ付け。中にでも、コーンアイス型のけん玉作りを楽しむ親子連れが多かった。

 

やなせたかしさんのイラスト

 カステラ生地であんをサンドし、贈答用を中心に愛されている栄堂(本店・大崎市古川穂波)のロングセラー商品「ちゃせご」は、絵本「アンパンマン」の作者やなせたかしさんが提供したイラストがパッケージや化粧箱に描かれている。やなせさん夫妻をモデルにしたNHK朝ドラの放映もあり、改めて関心を集めている。素朴でかわいらしい子どもたちの脇に、「やなせたかし」とサインが入っている。仙台アンパンマンこどもミュージアム&モール(仙台市)開館当時、スタッフが訪ねて来たほか、アニメ番組開始後は来店者の話題に上る機会が増えたという。栄堂取締役の早坂かづえさんによると、このデザインは1970年代に早坂さんの父が依頼した。当初は別のイラスト作家に頼む予定だったがかなわず、そこで紹介されたのが、やなせさんだった。早坂さんの父は8年ほど前に亡くなり、それ以上の詳しい事情は分からないままという。

 

受講生らの力作100点

 大崎市古川上中目にあるアート・ルネッサンス絵画造形教室の「平面立体作品展」が24日から、市民ギャラリー・緒絶の館で開かれており、教室を主宰する造形作家、武緒さんと受講生の作品約100点が展示されている。28日まで。小学生によるモダンアートのコラージュは、吹き流しやマーブリングの技法で自ら染めた紙を貼り合わせ、1枚の絵に仕上げる難易度が高い作品。氏名のレタリング、立体作品も力作ばかり。自宅の窓から見える風景や動物を描いた一般受講生の作品もある。