地域支える中小企業

来春卒業する高校生を対象にした求人が来月解禁されるのを前に、「宮城県中小企業家同友会」(仙台市)は27日、就職ガイダンスを大崎市古川のアインパルラ浦島で開いた。県北4校の生徒約30人が事業所担当者の話を聞き、業種や職種についての見識を膨らませて進路選択の参考とした。同会は、県内の中小企業経営者約1000人が加盟する。独自の中小企業情報サイト「ここエン」を立ち上げ、会員企業76社の魅力を新卒者向けに紹介している。高校生や大学生の就職希望先が名の通った大企業に偏りがちになる中、中小企業が地域の暮らしを支えている実情を知って選択肢に加えてもらおうと、2009年にガイダンスを始めた。民間による開催は珍しい。本ガイダンスへの参加を就職活動のスタートに位置付けている高校もあるという。
学校への不審者侵入想定

大崎市古川南中、古川東中と両学区の小学校合わせて6校の合同防災訓練が25日、一斉に行われた。学校に不審者が侵入し逃走したという想定で、児童生徒を保護者に引き渡す手順の確認には約6000人が参加。不測の事態に迅速に対応し、子どもたちの命を守るという意識を高めた。6校は合同防災会議を定期的に開くなど、連携した取り組みを実践している。栗原市内の小学校に軽トラックが侵入し、児童がけがをしたおととしの事件を受け、昨年からは不審者対応を訓練に盛り込んだ。訓練は、午後1時45分ごろ、「忘れ物を届けに来た」と言う不審者が古川南中(生徒数436人)の校舎に侵入した-という場面で開始。刃物をちらつかせ、大声でわめきながら生徒がいる教室へ向かう不審者と、さすまたや清掃用具で制止する教職員がもみ合いになり、勢い余って転倒する職員もいた。危険を知らせる校内放送を聞いた生徒たちは、教室に不審者が入らないよう机や椅子を積み重ねてバリケードを設置した。
日本語学校と連携事業
「おおさき産業推進機構」の通常総会が26日、大崎市古川のグランド平成で開かれ、任期満了に伴い役員改選を行い、総会後の臨時理事会で堀切川一男理事長を再選した。総会終了後の全体会では会員企業などが講話、情報提供を行い、大崎市は市立おおさき日本語学校卒業生の就職対策について紹介した。総会には委任状を提出した会員を含め82人が出席。本年度予算案、新役員(理事、監事)案など3議案を原案通り可決。臨時理事会で堀切川理事長(東北大名誉教授)、石ケ森信幸副理事長(仙北生コン代表取締役)、吉田祐幸副理事長(大崎市副市長)を再選した。任期は2年。新年度事業では、地域資源などを活用したビジネスプランを募集し表彰、事業化支援を行うコンテストを昨年度に引き続き開催。アルバイト情報の提供や企業見学など、おおさき日本語学校との連携事業に新たに取り組む。
1年間の練習成果披露
大崎市の日本舞踊「花菊流」(古川大宮)は28日、大崎生涯学習センター・パレットおおさきで「第6回おさらい会」を開いた。1年間の練習成果を披露する場で、出演者たちは長唄や演歌に合わせて華やかに踊った。花菊流は、家元の花菊扇瑩さんが2017年に設立。古川東大崎地区公民館で毎月3回練習しており、「おさらい会」は流派の活動を広く紹介しようと、20年から毎年開いている。出演者は歌のリズムに乗って、着物姿で優雅な踊りを披露。扇瑩さんは長唄「浮船の浅妻」による古典舞踊を舞った。他流派や津軽三味線、歌手の粟野敏夫さん(美里町)、高橋政美さん(大崎市)などもゲストで花を添え、会を盛り上げた。
防災ポータル活用を
大崎市は、市内における災害発生や避難指示などの発令、避難所の開設・閉鎖情報をリアルタイムで市民に届けるのを狙いに、ウェブサイト「防災ポータル」を運用している。開設から1年余りが過ぎ、若年層の防災意識向上を図ろうと、5月から6月にかけて市内全9高校で説明会を開催、生徒たちにサイトの有用性を説き、活用を訴えた。防災ポータルは、市内の「デジタル防災力」向上を図るのが狙い。通信アプリLINEで大崎市を「友だち」追加すると、災害時にプッシュ通知(スマートフォンなどへの直接通知)を受け取ることができる。説明会は、スマートフォン(スマホ)などを通して日頃からデジタルに親しんでいる高校生たちにサイトの見方を学んでもらい、災害時の迅速な情報収集、避難につなげようと開催。最終日の25日は鹿島台商業高で、市防災安全課の野﨑祐吾主査が概要を紹介。「部活動の大会会場やレジャーの行き先での大雨や台風の早期注意情報などを入手することで身の安全を確保できる。自らの防災力を高めてほしい」と呼び掛けた。
プロの技術で地域貢献
大崎市岩出山の清掃業「リフレッシュかむろ」(宇和野文昭社長)は26日朝、JR岩出山駅の清掃活動を行った。社員たちはプロの技術を生かし、駅舎や敷地を隅々まできれいにした。同社は岩出山出身の女性武道家、園部秀雄記念碑(城山公園)の清掃など、本社がある同地域で地域貢献活動を行っている。岩出山駅の清掃は、2022年から年1回実施。この日は宇和野社長ら13人が参加した。JR東日本の関係者が見守る中、普段の業務で使用しているワイパーやブラシなどを使い、床、壁、天井、トイレなど駅舎のほぼ全てを清掃。ホームへ向かう通路の窓は枠から外し、両面のほかレールまで丁寧に掃除した。
サマーリース作り学ぶ
大崎市古川敷玉地区公民館で26日、フラワーデザイン講座が開かれ、爽やかな緑色を基調にしたサマーリースの作り方を学んだ。年3回の講座で、墓や仏壇、年末年始に飾るデザインを手掛けたこともある。講師は、地元でフラワーアレンジメントの教室を主宰する佐々木みゆきさん。生の植物が日持ちしない暑い季節を迎え、今回は本物により近いアーティフィシャルフラワーを使用した。作り方はバランスを考え、さまざまな大きさや形の葉をリースの土台に挿し込み、グルーガンで固定する。ワイヤー入りだと形を整えやすく、茎を長く残すなどの工夫で立体的になるという。参加者は「何か違う。ここが少し寂しい」などと、試行錯誤を繰り返しながら制作。佐々木さんの手際やセンスを見習い、世界に一つだけの作品を完成させていた。
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