「火伏せの虎舞」勇壮に

加美町中新田地区中心部の商店街で29日、「初午まつり」(同実行委、町など主催)が行われた。防火を祈願する伝統芸能として650年以上前から同地区に伝わる「火伏せの虎舞」=県指定無形民俗文化財=が披露され、大勢の観衆を魅了した。同地区は風が強く、昔からたびたび大火に見舞われていたことから、中国の故事「雲は龍に従い、風は虎に従う」に倣って火伏せを祈願したのが虎舞の始まり。初午まつりは、毎年約4万5000人の見物客が訪れ、町を代表する催しの一つとなっている。舞を担うのは地元の小中学生で、2人一組で頭と尻尾が付いた胴幕をかぶり、笛と太鼓の囃子に合わせて演舞する。今回は児童生徒約100人が務めた。演舞は、商店街「花楽小路(からくこうじ)」にある店前や酒造店の日本庭園など数カ所で実施。祭典本部「寅や」屋根上では、虎たちが勇壮な舞を繰り広げた。
南原穴堰の隧道探険

大崎市鳴子温泉の世界かんがい施設遺産「南原穴堰」の隧道(トンネル)を探検するツアーが26日、行われた。隧道が一般公開されるのは初めてで、県内外から集まった約30人の参加者は内部を見学したり保全活動を体験したりした。南原穴堰は、鳴子温泉中山平南原地区の水田約25㌶を潤す農業用水路。総延長1880㍍のうち1330㍍が隧道で、正保年間の1644年から約3年かけ、粘土質の岩を手掘りで削って築造した。現在は地元農家でつくる南原穴堰水利組合が維持管理しており、昨年9月に世界かんがい施設遺産に認定された。探検ツアーは、〝生きた遺産〟である南原穴堰の魅力を深く味わってもらおうと、同組合と市が共同で開催。
廃材を作品に〝再生〟
大崎市古川リサイクルデザイン展示館の「第4回展示館まつりが」29日から、同館で開かれている。同館を拠点に活動するサークル4団体が新作を中心に約200点を披露し、来場者の目を楽しませている。5月4日まで。廃材など使えない、使わない物を再利用し、暮らしを豊かにする品に生まれ変わらせるという同館の理念に基づく催し。古い着物を使った洋服やバッグ、犬種ごとの特徴を絶妙に捉えた糸のこ木工、つまみ細工のフジ棚などが会場を華やかに演出している。
〝宵の虎舞〟など披露
加美町の一大イベント「初午まつり」の前夜祭が28日夜、中新田地区中心部の商店街「花楽小路(からくこうじ)」で開かれた。伝統芸能「火伏せの虎舞」が披露されたほか、ステージショーや出店などもありにぎわった。初午まつりは毎年4月29日の「昭和の日」に実施していて、ことしが昭和100年に当たることから町が企画。虎舞は、「中新田火伏せの虎舞保存会」や地元中学生らが務めた。花楽小路内の「寅や」屋根上で、保存会2、3部メンバーや中学生らが迫力の舞を繰り広げ、来場者の目を引き付けた。通りには食品や企業などのレトロポスターが並び、昔懐かしい昭和の雰囲気を演出。完成からことしで34年を迎える花楽小路はちょうちんで彩られ、約5000人の人出でごった返した。
カフェでなごみ狂言
大崎市古川駅前大通のカフェ「CHA-BOU榊」で26日、「古川なごみ狂言」が開かれた。同店の開店1周年を記念した催しで、常連客ら22人が集まり、大蔵流の大藏彌太郎さんと長男の大藏章照さん、髙木謙成さんによる演目「千鳥」を楽しんだ。同店は昨年、器や小物を販売するクラフト木村が隣の旧薬局スペースを活用してオープンさせた。お香をたき非日常を演出した空間で器を愛で、実際に使って和漢茶や食事を楽しめるとあって足しげく通う人が多い。古川なごみ狂言は東日本大震災後、大崎市と30年以上の縁がある大藏彌太郎さんと神戸代表が出会い始まった。コロナ禍で休止していたが、この日〝復活〟した。
子どもだけで「街」運営
子どもだけで都市運営を体験する「小さなこどものまち」が27日、大崎生涯学習センター・パレットおおさきで開かれた。小学3年から6年までの135人が参加し、働いて得た〝給料〟で買い物や遊びを楽しんだ。ドイツのミュンヘン市で開かれている「ミニ・ミュンヘン」がモデル。センター全館を街に見立て、小学生が店員や客になって遊びながら社会を学ぶ。この日はアクセサリー工房や射的、病院、リサイクルセンター、宝くじ店など12店舗が並んだ。
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