2025/04/25


水稲乾田直まき普及へ

 乾田直まきの現地検討会が22日、色麻町の農事組合法人「下高城ふぁあむ」の実証ほ場で開かれ、機械を使った種まき作業を実演した。町や県などは水田耕作の省力化へ乾田直まきの普及を図りたい考えで、実証展示ほ場を設け栽培技術の普及を図る。乾田直まきの導入は、少子高齢化や耕作者の高齢化が進む中、労働力の低減やコスト削減を図るのが狙い。乾いた田んぼに種をまき出芽させ、水を入れて栽培する。代かきや苗作り、田植えなど一連の春の作業を省くことができ、県、全農みやぎは県内各地に実証ほ場を置き、普及や技術の検証を行っている。同法人はことし初めて75㌶のうち12㌶で乾田直まきを行い、飼料用米を生産する。このうち1㌶を県、全農みやぎが実証ほ場とした。

酒造りの奥深さに触れる

 酒造り体験を通して日本酒を身近に感じてもらう講座「日本酒大学」が19、20の両日、大崎市松山の酒造会社「一ノ蔵」で開かれた。新型コロナウイルスの影響で6年ぶりの開催となり、再開を楽しみにしていた人たちが酒造りの奥深さを味わった。1983(昭和58)年に始まり、当時は全国的にも先駆的な試みだった。37回目の今回は、県内のほか北海道や関東圏から29~74歳の計29人が参加。うち20人が女性で、男女別で過去最高比率となり、関心の高さをうかがわせた。参加者たちが挑んだのは酒造りについての講義に続き、櫂入れや酒かすはがしといった実習や筆記試験、利き酒コンテスト。蒸したコメを麹室に運び入れる作業では、布で包み込んだ15㌔ほどの蒸し米を小走りで15㍍先の部屋へ持ち込んだ。

あなたへ贈る言葉展

 「スタートをきるあなたへ贈る言葉展」が23日から、大崎市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。同館が所蔵する作品の中から、地元出身の書家で宮城野書人会を創立した加藤翠柳らの作品を紹介。最終日の29日は関連イベントも開かれる。何かを始めようとする人の背中を押すような、魅力ある言葉との出会いを楽しんでもらおうという企画。加藤が詩からイメージを膨らませた書、加藤の師・大澤雅休、弟子・高橋樹石の作品計22点を展示した。このうち加藤の「やたけび」は墨象に負けない表現を追求し、25本の筆を抱え書き上げた作品。並んで展示されている「菜根譚の一節」「譲」「筍の太きは~入選発表をみて~」の3作は、年齢に伴う表現の変化もにじませている。

 

公立日本語学校視察も

 県内14市でつくる県市長会は14日、大崎市で市長会議を開き、国や県に対する要望事項をまとめた45議案と「東日本大震災からの復旧・復興に関する決議」をそれぞれ原案通り承認した。大崎市関係の主な要望事項は、宮城と山形両県をまたぐ高規格道路「石巻新庄道路」早期実現と基幹交通網の整備促進、「持続可能な水田農業推進」と鳥獣害対策についての予算確保、JR陸羽東線活性化に向けた県の積極的な関与など。物価高と人件費高騰に伴う公立病院の経営難問題を巡っては4市(塩釜、大崎、角田、登米)共同提案「地域医療の充実」として制度改正や財政的支援を求める。会議の場は今春開校したばかりの認定日本語教育機関「市立おおさき日本語学校」。議事に先立ち学校視察を行い、伊藤康志市長自らが案内役となり廃校利活用の校舎や授業風景を紹介していった。