闇夜に浮かぶ旧有備館

大崎市岩出山の国指定史跡・名勝「旧有備館および庭園」で5、6の両日、春のライトアップが行われ、主屋や庭園の木々が闇夜に照らされた。池の水面にも反射した幻想的な光景が、来館者の目を引き付けた。ライトアップは12、13日も行われる。主屋は江戸期の建立当時、「対影楼」と呼ばれ親しまれた。池の水面に上下反転した姿で映る光景が由来で、仙台藩の儒学者、佐久間洞巌(1653~1736年)による扁額も掲げられている。春のライトアップは、サクラの開花シーズンに合わせて実施。通常午後5時までの入館時間を延長し、主屋と庭園のサクラを館内照明やLEDで照らした。
伝統の「八百屋市」開幕

大崎地方に春の到来を告げる大崎市古川の「古川八百屋市(やおやまち)」が7日、始まった。会場の「道の駅おおさき」には、開幕を待ちわびた市民らが大勢訪れ、新鮮な野菜などを買い求めていた。古川八百屋市は、戦乱で荒廃した地域の安定化を図ろうと、伊達政宗の命で古川城主となった鈴木和泉が1604年、「3」と「7」の付く日に市の開催を許したことが起源。今年で421年を迎えた。初日は野菜や花、漬物などを販売する15店が出店。サトイモやネギなど野菜の苗、海産物なども並び、「ことしもよろしく」と、出店者と訪れた市民があいさつを交わす姿が見られた。
「子どもの居場所マップ」更新
県内のフリースクールなどで構成する「多様な学びを共につくる・みやぎネットワーク(みやネット)」はこのほど、「みやぎ子どもの居場所マップ」を作成した。2020年秋に作成したマップを更新したもので、親の会や児童館など新たな協力団体、機関も掲載した。マップは、学校以外の学びの場や居場所の情報提供、学校や行政、フリースクールなどの情報共有を目的に製作。大きさはA3サイズで、仙台市版と仙台市以外の地域の2種類ある。フリースクールをはじめ、子どもが中心の遊び場「プレーパーク」、教育支援センターなどの住所と連絡先に加え、新たに「親の会」の連絡先を掲載。また、QRコードから県内の児童館が閲覧でき、前回のマップと比べ4倍近い情報を提供している。発行部数は前回の半分の5000部にし、データでの取り扱いを重視した。
加護坊山のごみ拾いに汗
サクラの名所として知られる大崎市田尻の加護坊山(標高224㍍)で4日、地元住民らによる清掃活動が行われた。同日に始まった加護坊桜まつりをきれいな環境で楽しんでもらおうと、約50人がごみ拾いに汗を流した。市内外から訪れる大勢の来場者に気持ちよく花見をしてもらおうと、田尻観光協会が「加護坊山クリーン作戦」と題して20年ほど前から継続している活動。山頂近くのお花見広場やキャンプ場、駐車場のほか、山頂へ続く道路沿いにも目を配っている。この日は時折小雨が降るあいにくの天気だったが、参加者は火ばさみとごみ袋を手に、投げ捨てられた空き缶や空き瓶、たばこの吸い殻、枯れ枝などを熱心に拾い集めた。一部の参加者はバスで麓まで下り、登り口の清掃にも精を出した。
「江合みまもり隊」発足
大崎市古川江合地区に5日、住民総参加型の「江合みまもり隊」が発足した。交通指導隊や防犯隊と連携して活動を広げ、児童生徒の登下校を見守ることで犯罪が起きにくく、誰もが安心して暮らせる地域づくりの実現を目指す。この日、江合公会堂で開かれた新入生歓迎会の席で、新たな取り組みが紹介された。何かと多忙な現役世代が散歩やジョギング、買い物をしながら無理なく活動でき、毎日のように公会堂で開かれているカラオケや卓球といったクラブ活動に通うお年寄りたちも隊員として一翼を担う。アパートが多く住民の出入りはあるが、3行政区約2700人の目と子どもたちを守ろうという意識は大きな力になると期待している。
子育てや定住巡り論戦
任期満了に伴う栗原市長選(20日告示、27日投開票)に立候補を予定している2氏の公開討論会が3日、若柳総合文化センターで開かれた。ともに2回目の当選を目指す現職の佐藤智氏(68)と、前職の千葉健司氏(68)が子育て支援や定住策などで論戦を展開した。栗原青年会議所が主催。テーマは同会議所が市内4高校の生徒を対象に行ったアンケートの結果を基に決めた。子育て支援について、佐藤氏は「小中学校給食費無償化など子育て世代の負担軽減に取り組み、移住者からも評価を受けるなど成果も出てきている。屋内遊び場を設置し、結婚へ出会いの場を設けたい」とした。千葉氏は「子育て支援は経済支援ばかりでなく、若い母親に寄り添ったサポートが必要。婚姻率を高めるため100万円の結婚祝い金を出す。学力向上、婦人科医の招へいを急ぎたい」と語った。
バリアフリーへ生の声
栗原市栗駒文字の「そば処もんじ 永左ェ門」はこのほど、車椅子利用者を招き試食会を開いた。手打ちそばを通じて交流を楽しんでもらったほか、障害者の視点から利便性向上のアドバイスを受けた。車椅子利用者の出歩く機会を増やし、横のつながりをつくってもらう狙い。チラシを作るなどして募集し、市内外から車椅子利用者4人と家族、介助者合わせて12人を招いた。同店は昨年5月、地域の活性化を図ろうと、郵便局長などを務めた菅原敏元さん(66)が、築170年ほどの自宅古民家を改修しオープン。入り口にスロープを設置しているほか、トイレにも手すりを設けるなど障害者に配慮している。普段使っている低いテーブルに、特別に大工に作ってもらったかさ上げ用の脚を装着して継ぎ足し、車いすでも利用できるようにした。
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