「スノーバスターズ」出動

県内有数の豪雪地帯、大崎市鳴子温泉鬼首地区で26日、住民らによる除雪ボランティア「スノーバスターズ」が行われた。高齢化、過疎化が進む地域に救いの手を差し伸べようと総勢80人余りが繰り出し、家の周りに積もった雪かきに汗を流した。暖冬でほとんど雪がなかった昨年から一転し、ことしは軒先に1・5㍍ほどの雪が堆積。参加者たちは5~17人の9班に分かれ、要請があった12世帯の除雪に精を出した。このうち8班は農地に近い民家2軒を担当。雪は凍結を繰り返して硬く、重くなっていたため、トラクターのスノーラッセルや除雪機で吹き飛ばし、機械が入れない部分は人力で運び出した。除雪を依頼した高橋よしのさん(72)は「いつもは自力で頑張っていたが、足を悪くしてしばらく雪かきができなかった。(ボランティアは)とても助かる」と語っていた。
涌谷 箟岳白山祭で弓神事

稚児が矢を射り、的に当たった本数や箇所によってことしの作柄や天候を占う宮座式行事「箟岳白山祭」(県重要無形文化財)の弓神事が26日、涌谷町の寺院箟峯寺境内で古式にのっとり行われた。矢は全て命中し、作柄が期待できる一方、自然災害への警戒が必要という。稚児を務めたのは、同寺ゆかりの大和田宗佑君(8)=涌谷第一小2年=と木村晴喜君(7)=箟岳白山小1年=。烏帽子と直垂に身を包んで僧の手を借り、5㍍先の「鬼」と記された的を目掛け、12カ月に見立てた矢12本を交互に放った。
西古川駅 有人化の動き
大崎市は24日、現在無人駅となっているJR西古川駅の有人化計画を明かした。4月の市立「おおさき日本語学校」開校に合わせて、最寄り駅の利便性向上と駅舎利用のにぎわい創出を進めたい考え。市議会総務常任委員会で計画案を説明。「簡易委託」方式で市職員と地域おこし協力隊員を平日に常駐させ、券売業務を行う。将来的な駅舎と土地の取得を視野に入れ、住民主体で運営可能な仕組みづくりも検討していく。
植樹、環境美化を四半世紀
市民団体「化女沼2000本桜の会」(大崎市古川)がこのほど、第44回「緑の都市賞」で第一生命財団賞を受賞した。化女沼ダム湖畔を花咲く景勝地にしようと植樹、環境美化を継続し四半世紀。これまで植えた苗木の本数は3200本余りに及ぶ。1999年春「2000年に2000本の桜を植える会」として発足、翌年から動き出した同会。取り組みは植樹だけにとどまらない。「湖畔は不法投棄が多く、まず苗木を育む下地づくりが必要だった」。佐々木哲朗会長は発足当時をこう振り返る。以来4~11月にほぼ毎月、下草刈りやごみ拾いを続けている。同会は昨年11月、日本善行会(東京都)表彰も受けた。「『化女沼の桜で未来の子どもたちに夢と希望を』の使命感が原動力。まだまだ頑張りたい」と佐々木会長。もうすぐ26回目の春がやってくる。
戦争体験を次世代へ
中新田高1年生の「総合的な探求の時間」で地域の戦争の記憶を継承する活動を行っている生徒が21日、戦争に関する資料を提供した元加美町職員の諸岡敏裕さん(72)から話を聞いた。戦争当時、「東洋文庫」(東京都)の蔵書が同町に疎開したことなどを聞いた生徒たちは、改めて平和の大切さを学んだ。地域の戦争体験を次の世代に引き継ごうと活動しているのは、「探求の時間」で1年生が取り組む「加美町研究」歴史班の8人。これまで地域の人々に呼びかけて戦争に関係する資料を集め、戦争体験などを聞いた。諸岡さんの父親は戦争で工兵として召集された。内地勤務だったという。この日、諸岡さんは工兵だった父親は建築関係が任務だったことや、戦争末期、加美町内に「東洋文庫」の貴重な書籍が疎開したことに触れた。同文庫の疎開では、生徒たちが本の運搬作業に従事したことや中新田、小野田など3カ所に分けて保管されたことも紹介した。
茂庭家の資料ひもとく
江戸期に大崎市松山を治めた仙台伊達藩重臣、茂庭家の資料から判明したことを紹介する講演が25日、市松山公民館で開かれた。同公民館主催。領内の田畑の詳細が記された絵図などについて地元住民ら約100人が興味深く耳を傾けた。市は、茂庭家初代行元から18代嵩元までの事績が歴代当主別に日記体に記された「茂庭家記録」(市指定文化財)112冊の再調査や、茂庭家が所蔵する「茂庭家文書」など計384点について実態調査を進めている。講演で、文化財調査員の菊地優子さんは茂庭家記録について「(仙台藩のお家騒動の)寛文事件に関する記述など仙台藩の記録も詳細に記されていて、藩にとっても貴重な史料ではないか」と指摘した。
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