2024/9/8


「B50燃料」を開発

 飲食店や食品工場から出る廃食用油から軽油の代わりとなるバイオディーゼル燃料(BDF)を製造している「千田清掃」(大崎市古川狐塚)はこのほど、BDFの割合を混合燃料全体の半分まで引き上げた「B50燃料」を開発した。同社の混合燃料は、自動車に使用できる軽油95%、BDF5%の「B5燃料」が主力。昨年はBDF割合30%の「B30燃料」を開発し、資源エネルギー庁の認可を得て乗用車に使用する実証実験を約1年間実施。故障を起こすことなく完了し、製造、販売を行っていた。B50は、B30で得たノウハウを活用し開発。地方税法の軽油規格を満たし、特定特殊自動車排出ガス規制法に適合した建設機械や発電機、農機具などのディーゼルエンジンに使用できる。B30よりも高い温室効果ガス削減効果が期待できる。

 

「鬼首菜」復活に挑む

 前南郷高校長、匹田哲弥さん(61)=柴田町=は大崎市鳴子温泉鬼首の伝統野菜「鬼首菜」の栽培継承に取り組み、8月に種まきを行った。畑は唯一の栽培農家だった橋一幸さん(昨年72歳で死去)から引き継いだ。生産者を増やし、加工、出荷まで取り組みたいと意欲を見せている。匹田さんは南郷高で「世界農業遺産支援プロジェクト」に取り組み、橋さん方で種の採取を手伝うなど、鬼首菜栽培を応援していた。地元で食べられている、湯がいて塩漬けにする「ふすべ漬け」という加工段階へ進もうとしたが、橋さんが昨年8月に死去。しかし、「このまま不完全燃焼で終わるわけにはいかない」と、鬼首菜の生産を受け継ぐことにした。昨年、橋さんの畑5アールに作付け。11月に「ふすべ漬け」を10キロほど試作した。地元の人々に「合格点」をもらい、南郷高や鳴子温泉の文化祭で無料配布した。「落ちた種から自然に生えたものを食べている人はいるが、栽培農家はいなくなってしまった」鬼首菜。「貴重な在来種を消したくない」と、ことしも8月21日に昨年と同じ畑に種をまいた。「コメのゆきむすびのように、鳴子に鬼首菜があるよね、と言われるようにしたい」と抱負を語る匹田さん。橋さんの思いを背負い、実家がある鳴子温泉中山平地区の借屋に単身で暮らし、鬼首菜復活に努めている。

 

鳴子4小中学校を統合

 大崎市は6日、市議会9月定例会(13日開会)に提出する本年度一般会計補正予算案など20議案を発表した。一般会計は8億262万円の増額補正(補正後総額661億4285万円)。主な歳出項目は、独自のキャッシュレス決済アプリ「パタPAY」を活用した割増電子商品券発行事業費3000万円、鳴子温泉郷再生・高付加価値化事業補助金5483万円、児童手当拡充に伴う給付扶助費の追加分2億9133万円など。来春開校を目指す市立日本語学校の留学生向け奨学支援金8910万円の債務負担行為も盛り込んだ。「市立学校の位置に関する条例を一部改正する条例案」は鳴子温泉地域の3小学校(鳴子、川渡、鬼首)と鳴子中を統合し、来春新たに義務教育学校「鳴子小中学校」を開校させる計画に伴うもの。

 

クレパス画67点

 大崎市古川のクレパス画家、萬屋長兵衛(本名・伊藤純)さんによるクレパス画展「風の記憶10」が、市民ギャラリー・緒絶の館で開かれている。雲やウサギ、果物などをモチーフにした色鮮やかな作品が並んでいる。8日まで。萬屋さんは30代のころに独学でクレパス画を始めた。10年の節目を迎えた作品展には、はがきサイズの67点を展示。1色ごとに透明のアクリルスプレーで層を作り、通常のクレパスではできない「塗り重ね」でコントラストやグラデーションを表現している。展示した絵の多くは、青やオレンジ、灰色の空を漂う雲。「自分が描いていて楽しいものを追求した。人に見せよう、うまく描いてやろう、形をはっきり描こう、そういった気持ちを持たずにいたら、形がぼんやりした雲が多くなった」と語る。

 

南原穴堰の登録祝う

 大崎市古川の古川土地は3日、同市鳴子温泉の「南原穴堰」が国際かんがい排水委員会(ICID)の「世界かんがい施設遺産」に登録されたことを祝う懸垂幕を、JR古川駅前の同社ビルに設置した。南原穴堰は、江戸時代の前半、隧道1330メートルなどを手掘りで掘削して造られ、現在も地域の水田に水を供給し続けている。この日、伊藤康志市長ら関係者も出席し、登録表彰式がオーストラリア・シドニーで開かれ登録が決まったことを受け、早速、懸垂幕を取り付けた。

 

「栗原市民まつり」にぎわう

 栗原市の産業や福祉などさまざまな団体が一堂に会して地域の特産品や活動をアピールする「栗原市民まつり」が8月31日、イオンスーパーセンター栗原志波姫店で開かれた。特産品の販売や吹奏楽の演奏などもあり、大勢の市民でにぎわった。86団体が参加。栗駒高原森林組合は木工やコケ玉作り、市社会福祉協議会は射的や輪投げなど子ども向けコーナーを設け、親子らが楽しむ姿が見られた。