2024/6/11


災害情報を即時集約

 大規模自然災害に備えて大崎市は6日、被害情報をリアルタイムで集約し、市民へ情報提供できる「市総合防災情報システム」の運用訓練を市役所本庁舎中心に繰り広げた。システムは災害発生時、各部局が集めた情報を専用サイト上で共有し、状況把握や避難所運営、関係機関と連携した応急復旧を効率的に行う仕組み。本年度稼働開始し、大掛かりな訓練は初めて。豪雨で河川が氾濫危険水位に達し、市内で冠水や停電が生じているとの想定。本庁舎に立ち上げた警戒本部は上下水道部、各総合支所、市民病院と「Zoom(ズーム)」で結び、報告やシステム上で随時更新される情報に基づき、本部長の伊藤康志市長が対応策を講じていった。現場からの動画中継は本番さながら。避難所、道路冠水に伴う通行止め路線など「生命と財産を守る」情報を市民向けポータルサイトの地図上に落とし込む試みも。市関係者のほか消防、警察、東北電力、県と周辺自治体の防災担当ら約100人が最新システムの導入効果を確かめた。

大雨創英し初の訓練

 大雨を想定した大崎市松山地域の総合防災訓練が8日、松山B&G海洋センターなどを会場に行われた。避難所での受け入れなどを確認したほか、参加した市民は負傷者の応急手当ても学んだ。訓練は、激しい雨により鳴瀬川の越水が差し迫り、「避難指示」が発令された、という想定で実施。広岡や山王など10行政区の住民、自主防災組織や消防団など約150人が参加した。市松山総合支所は現地警戒本部を設置。防災行政無線で警戒レベル4「避難指示」発令を住民に知らせた。発令を受け、市民は同センターに避難。入り口では市職員らが避難者の氏名を確認し、負傷者や被害状況の報告を受けた。また、避難訓練に参加した住民は大崎広域消防本部の職員から、毛布を担架にして負傷した住民を運ぶ方法や、骨折した脚や手に新聞紙や雑誌を巻きテープなどで固定したり、ビニール袋を利用してけがをした腕をつる手法について指導を受けた。

大崎市人口 前月比109人減少

 大崎市がまとめた今月1日現在の市人口は12万2827人(男6万488人、女6万2339人)で、前月より109人減った。一方で世帯数は5万3136世帯となり50世帯増。数字はいずれも外国人(世帯)含む。人口動態は、自然増減が出生44人(男22人、女22人)に対し死亡141人(男79人、女62人)で差し引き97人減。転出入に伴う社会増減は転入284人に対し転出296人で12人減の転出超過。旧市町別人口は多い順に、古川7万5701人(前月比26人減)、鹿島台1万780人(同27人減)、田尻9542人(同31人減)、岩出山9331人(同15人減)、三本木7337人(同4人減)、松山5273人(同2人減)、鳴子温泉4863人(同4人減)と7地域全てで前月比減。

 

求人倍率0・97倍

 古川公共職業安定所は管内の労働市場をまとめた。それによると、仕事を探す人1人当たりに対する企業からの求人数を示す求人倍率は4月末現在0・97倍で、2020年10月以来3年半ぶりに1倍を割り込んだ。前月からは0・12㌽の下落で、年度替わりが影響したとみられる。求人倍率は、コロナ禍を受けて2020年5月から半年間、1倍を割り、0・85~0・96倍で推移。ことし4月は、過去5年間では20年10月(0・96倍)に次いで低い数値だった。

 

大崎市 企業立地促進へ奨励金増

 大崎市は7日、市議会6月定例会(14日開会予定)に提出する本年度一般会計補正予算案など予算案件2件、条例案件5件、専決処分した定額減税と低所得世帯向け給付金関連予算の承認1件、報告7件、その他7件の計22議案を発表した。一般会計補正予算は2億7705万円の追加(補正後総額651億9406万円)。条例案のうち、市企業立地促進条例の一部改正案は半導体関連産業や植物工場の誘致が狙い。雇用促進奨励金を新規雇用者1人当たり従来の20万円から100万円(短時間労働は10万円から30万円)に引き上げ、対象業種(製造、電気、情報通信、運輸、卸売、宿泊)に「農業」を加える。関連して工場等立地奨励金の増設時交付要件も緩和する。

 

学校は違えと息ぴったり

 涌谷高音楽部(部員10人)と小牛田農林高吹奏楽部(部員20人)は5月26日、合同定期演奏会(大崎タイムスなど後援)を美里町文化会館で開いた。複数の高校による合同演奏会は珍しいといい、息の合ったハーモニーで約300人の聴衆を魅了した。部員減少で大人数での演奏や単独での演奏会開催が年々難しくなる中、両部は県高校総合文化祭やイベントでの共演を通して絆を深めてきた。合同演奏会は昨年に続き2回目で、3月から4回にわたり合同練習を重ねた。ポップスやジャズ、昭和歌謡曲など多くの世代に馴染みのある十数曲を演奏。このうち6曲は合同で奏でた。大きな盛り上がりをみせたのは「ヤングマン」で、聴衆とともに両手を高く掲げ、会場が一体感に包まれた。