2024/6/4


〝ガリレオ望遠鏡〟寄贈

 ガリレオ・ガリレイの望遠鏡を精密に復元したレプリカが、大崎生涯学習センター・パレットおおさき(大崎市古川)から、石川県柳田星の観察館「満天星」(能登町)へ贈られる。ガリレオ望遠鏡のレプリカは東日本大震災からの復興を祈り届いたもので、今度は能登半島地震被災地の復興の願いを込めて送り出す。レプリカは、ガリレオが初めて天体望遠鏡で宇宙を観測してから400年に当たる2009年、世界天文年日本委員会企画委員だった井上毅さん(現・明石市立天文科学館長)が「ガリレオ望遠鏡復元プロジェクト」を主宰し制作。倍率は14倍と20倍があり、全部で30組作られた。震災後、被災地を応援しようと、井上さんと30年来の親交がある同センターの遊佐徹センター長に、20倍の望遠鏡が無期限で貸し出された。茶色い革で覆われたような外観で、金細工の装飾、古色も再現された望遠鏡はセンターの旧体験展示室やプラネタリウム館に展示。見学した人からは「ガリレオが夜空をのぞいた当時を想像させる」と好評だった。「いつか返却しなければ」と思っていた中、地震の影響で休館していた満天星が6月上旬に再開すると知った遊佐センター長は、望遠鏡の寄贈を思い立った。この提案に井上さんも賛同し、実現することになった。

沖縄伝統の染物「紅型」展示会

 沖縄県に古くから伝わる染物「紅型」の展示会「紅型だいだい染布展」が、大崎市岩出山下野目のいぐねのなかのギャラリー母屋で開かれている。独特のぼかし表現で染め上げた色鮮やかな作品の数々が、訪れた人たちの目を引いている。紅型は、顔料や天然染料を使い、型の上から布や紙に筆で色を差していく型染めの一種。18を超える制作過程で特徴的なのが、色差し後にぼかし染めを施す「隈取り」。立体感や透明感、遠近感などの効果を生み出したり、色を補強したりして作品に深みを与える。展示会は、沖縄県糸満市で工房「紅型だいだい」を営んでいる埼玉県出身の染織作家、賀川理英さんが開催。東北で開くのは初めて。登米市に住むイラストレーターの友人に古民家を改装した同ギャラリーを勧められたことがきっかけで、飾り布や帯、バッグ、小物など約70点を並べた。

労働衛生管理促進へ

 宮城労働基準協会古川支部は5月29日、2024年度総会を大崎市古川のグランド平成で開き、労働災害防止や労働衛生管理の促進に向けた各種取り組みを推し進めることを確認した。86人(代理、委任含む)が出席。4月に着任した木田秀隆支部長(YKKAP東北製造所長)があいさつ。議事で前年度事業と収支決算を原案通り可決。本年度事業計画案や収支予算案、任期満了に伴う本部役員改選など5件が報告された。本年度は▽安全衛生管理システム普及▽事業場パトロール(3回)▽メンタルヘルス対策啓発▽大崎健康・体力づくり運動普及―などに取り組む。新たに「厚労省年収の壁・支援強化パッケージ」や熱中症予防対策についてのセミナーなどを開催する。

 

三本木まちづくり協議会が総会

 大崎市三本木まちづくり協議会の2024年度総会が5月25日、三本木総合支所ふれあいホールで開かれ、任期満了に伴う役員改選で新会長に伊東仁副会長(69)を選出した。79人が出席。前年度事業報告と収支決算、本年度事業計画案と予算案を原案通り可決した。本年度は住民による展示会やスポーツフェスティバル、スイセンとヒマワリの植栽・配布などに取り組む。また、部会制など会の在り方を見直し、地域課題や住民の要望を反映できるように今後の体制づくりの方向性を検討する。

 

景観生かしまちづくり

 大崎市鳴子温泉川渡地区の景観を生かしたまちづくりを、行政と市民が協働で考えるセミナー・ワークショップ「おおさき景観まちづくりinかわたび」が5月30日、川渡地区公民館で開かれた。住民たちは地区の景観を教育や観光へ生かすための街歩きプランを、市職員と共に練り上げた。田園や温泉、史跡といった多様な景観を守りながら地域資源として活用する「大崎市景観計画」に基づく取り組みで、市都市計画課が昨年度から川渡地区を対象に実施。みやぎ景観アドバイザーの大沼正寛・東北工業大教授が、先進地や課題解決の事例を紹介するなど協力している。昨年度は、「川渡地区の未来の景観を考える」をテーマに2回開催。地区住民有志が2班に分かれ、地域が持つ景観の魅力や未来へ残していく上で解決が必要な課題について意見を出し合った。3回目のこの日は14人が参加し、子ども向けと観光客向けの街歩きプランを計画。このうち観光客向けプランは、江合川河川敷の菜の花畑や湯沢川両岸の桜並木、温泉石神社、共同浴場などを徒歩で巡る内容。住民ならではの視点で、景観を最も美しく眺められる立ち位置や角度まで話し合い、模造紙の白地図に写真を貼り付けたり、油性ペンで観光ルートを書き込んだりした。

 

「本物みたい」作品に感心

 ソフト粘土を使う装飾工芸「DECOクレイクラフト」の作品展(アトリエLa vie en Rose主催)が1、2の両日、大崎市古川旭の菅原工務店ミュージアムで開かれた。花束や植物をかたどった作品は本物そっくりで、訪れた人たちは熱心に見入っていた。DECOクレイクラフトは、初心者でも手軽に始められることから、教室や愛好者が世界中に広がっているという。会場には、認定講師の長谷川由美子さんが同市三本木に構えるアトリエの受講生13人の作品100点余りを展示。香りが漂ってきそうな豪華な花束や鉢植え、みずみずしさまで表現された果物、甘いもの好きなら喉が鳴りそうなマカロンタワーなど、どれも見事な出来栄え。