2024/4/24


そり引き馬力競う

 筋肉自慢の馬が馬力を競う「東北輓馬競技大会」が21日、涌谷町の江合川河川敷で開かれた。最大1トン近くの重りを載せたそりを引き、力強く駆ける馬の姿に会場が沸いた。かつて商業、流通の拠点だった同町で馬が貴重な運搬手段を担っていたのが由来。29日にかけて開催中の桜まつりのメインイベントとして開催された。74回目のことしは、16頭(ポニー6頭含む)が栗原市と亘理町のほか、いずれも馬産地として知られる岩手、青森両県、北海道から出場。直線120メートルのコースに、最も大きな階級で975キロの重りをそりに載せ挑んだ。

在りし日のペットに祈り

 県獣医師会大崎支部狂犬病予防班は21日、大崎市古川の吉野作造記念館と同館周辺で動物慰霊祭を行った。約80人の市民らが花を手向け、亡きペットの冥福を祈った。慰霊祭は毎年この時期に実施しており、ことし20回の節目を迎えた。同館に隣接する築山広場の「動物愛霊の碑」は、慰霊祭開始とともに同支部が建立した。式では伊藤康志市長が、能登半島地震において石川県の獣医師会がいち早く被災ペットの支援活動や募金を行ったことを紹介。「市でも里親団体などと連携し、動物と人がより良く共に過ごせる環境づくりに努めている」と話した。

鳴子の四季や愛猫描く

 大崎市鳴子温泉鬼首在住の日本画家、川村香月さん(32)の個展「花と猫」が5月1~5日、市民ギャラリー緒絶の館で開かれる。市内で開く初めての個展で、鳴子温泉の景色や花々、飼い猫を鮮やかな色彩で写実的に描いた作品を披露する。川村さんは東京生まれで、2歳のときに母親の故郷である宮城県へ。物心ついたときから当たり前のように絵を描いていたという。宮城野高美術科で日本画に出会い、京都造形芸術大(現京都芸術大)芸術学部で日本画を専攻。同大大学院修士課程を2016年に修了し、17年に仙台市で初の個展を開いた。鬼首には19年、仙台市から移住。150号(長辺約240センチ、短辺約170センチ)の大型作品をよく制作するため、自宅兼アトリエに適した家を県内各地で探したところ、スキー場近くの元ペンションが天井の高さや部屋の広さなどで目的に合致。愛猫「マルコ」の名前から取った「日本画工房マルコフ」を構えた。

 

「矢木のカヤ桜」(岩出山)満開に

 大崎市岩出山池月の「矢木のカヤ」と共生するカスミザクラが20日、満開になった。今月半ばの暖かさで開花が例年より1週間ほど早まり、地元町内会の上宮協栄会は夜間のライトアップを1週間前倒して実施した。カヤは推定樹齢850年で、高さ約18メートル、幹周り約7・5メートル。カスミザクラが着生しているのは、地上4メートル付近の幹が枝分かれしている部分。着生した木が元の木と共に大木化するのは極めて珍しく、2001年11月、旧岩出山町の天然記念物に指定された。

 

子育て支援に役立てて

 栗原市若柳や岩手県一関市を拠点とするマテリアルリサイクル業ヨシムラは11日、栗原市社会福祉協議会若柳支所に30万円、若柳地域で子ども食堂を運営する樋渡由美さん(33)に10万円をそれぞれ寄付した。同社は収益の一部を原資に、地域で子育て支援に取り組んでいる団体などに毎年寄付している。従業員の意欲向上にもつながっているといい、ことしは岩手、宮城両県の幼稚園や小学校、障害者支援団体など計13カ所へ同様の支援を行っている。

 

「奨学金支援」先着順で受付

 登米市は、同市出身者らの奨学金返還を支援する事業を本年度に始める。3年間で最大54万円を補助。申請を先着順で受け付けている。出身者のUターンや若手移住者のIターンを増やす狙い。高校や短大、専門学校、大学などの在学中に奨学金の貸与を受け、返還している市内在住の40歳未満の就労者(近隣市町村での就労含む)で、2023年4月1日以降に登米に戻ってきた出身者か、24年2月1日以降に卒業・中退した非出身者が対象。本年度の奨学金返還額を18万円まで市が負担する。来年3月末までに本年度分の返還が完了してから、4~5月に一括交付。来年度もあらためて申請を受け付け、最長で3年間交付対象にする。

 

仮設ポール建柱を安全に

 大崎市三本木坂本の電気設備工事会社「三立電気」は、同社が開発した仮設ポール接続金具「つなげる君!」の販売を本格化させた。仮設配線工事の安全性と効率性を向上させる画期的な接続金具で、全国普及を目指している。「つなげる君!」は、建柱時に根入れした下部ポールと上部ポールを連結させ、接続ボルトで固定する製品。少ない力で簡単に建柱できることから作業員の負担を軽減し、作業効率が改善されるほか、ボルトで固定するためポールのふらつきが軽減され、建柱や撤去時の安全性も確保できる。佐々木恒明代表取締役(65)が約1年半試行錯誤しながら完成させ、2021年7月に特許を取得した。開発のきっかけは、経験も技術も浅い若手社員が数人で40キロもあるポールを建柱する姿を目にしたことだった。重さで転倒したり、撤去時に周囲の建物を損傷したりする可能性もあることから、若手社員が安全に効率よく働け、さらに技術力も補えるよう製作。