生物多様性考える
生物多様性について考える第2回おおさきネイチャーポジティブシンポジウム(大崎市主催)が15日、同市役所で開かれた。東北大大学院生命科学研究科の近藤倫生教授が基調講演したほか、市内の環境保護団体が活動報告を行うなど、生き物の減少を食い止め回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」について考えた。大崎市は2022年度に「SDGs未来都市」に認定され、ネイチャーポジティブを生かした「田園都市創生」を目指している。シンポジウムは市民や企業への理解を広めようと開かれ、60人ほどが出席した。最初に環境省東北地方環境事務所の羽井佐幸宏・統括自然保護企画官が情報提供。「ネイチャーポジティブは自然の損失を止め回復へ向かわせ、そのために社会、経済の仕組みを変えること」と説明し、「大崎市で環境保護、農業生産、観光振興を結びつけた取り組みをしては」と提案した。
吉田川、高城川を保全
昨年7月に国や県から特定都市河川に指定された吉田川と高城川を保全する「みずからクリーンアップ活動」が16日、大崎市鹿島台の両河川堤防で行われた。鹿島台と松島町、大郷町住民、建設企業や関係機関など約150人が参加し、ごみ拾いや幼木の伐採などに汗を流した。初の試みで、今後の活動へ課題も見えた。地域を水から守り、川をきれいにしようと、地域住民らで組織する流域治水オフィシャルサポーター「りゅうちるネットワーク」が主催。高城川の環境保全に努める団体「高城川スマイルサポーター」と合同で行った。実施したのは吉田川右岸の堤防や高水敷3・5キロ。4班に分かれ、散乱するビニールやペットボトル、流木などを分別しながら拾ったり、高水敷に植生するヤナギ類を伐採したりした。また、高城川左岸堤防200メートルののり面を電動草刈り機で除草した。令和元年東日本台風などで水害被害を受けた鹿島台志田谷地の70代男性は「川をきれいにして、水の流れを良くすることは暮らしの安心につながる。これからもみんなで取り組んでいきたい」と語っていた。
大崎市人口 前月比178人減少
大崎市がまとめた今月1日現在の市内人口は12万3423人(男6万767人、女6万2656人)で、前月より178人減った。世帯数は5万2930世帯で、同じく26世帯の減少。数字はいずれも外国人(世帯)含む。人口動態は、自然増減が出生49人(男23人、女26人)に対し死亡170人(男81人、女89人)で121人減。社会増減は転入172人に対し転出229人で57人減の転出超過。旧市町(7地域)別人口は多い順に古川7万5958人(前月比75人減)、鹿島台1万859人(同25人減)、田尻9632人(同14人減)、岩出山9406人(同19人減)、三本木7342人(同4人減)、松山5313人(同25人減)、鳴子温泉4913人(同16人減)と全地域で減少。
危険なブロック塀公表
県は15日、各地の小学校から半径約500㍍の通学路沿いにある危険なブロック塀17カ所の位置をホームページで初めて公表した。いずれも民間の所有だが、経年の劣化などで大地震で倒壊する恐れがあり、県や市町村が改善を呼び掛けてきたが実現していない。県などは今後も所有者に働き掛けを続け、安全な通学環境を実現したい考え。
穏やかな彼岸入り
彼岸の入りの17日、大崎地方は薄い雲間から日が差す穏やかな天気となった。各地の墓地には朝早くから多くの人が墓参りに訪れ、墓前に花や供え物を手向けて先祖を供養していた。大崎市古川李埣の富光寺では、休日ということもあって多くの檀家が家族連れで墓参。同市古川李埣の宮澤廣江さん(69)は、娘の茨澤美穂さん(37)や孫の一嬉ちゃん(3)ら家族5人で墓に手を合わせていた。「彼岸と盆は必ず来ている。自分たちがいるのは先祖の皆さんのおかげ。いつも頑張っています、ありがとうと伝えた」と話していた。
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