2024/3/13


奇祭「小泉の水祝儀」

 新婚夫婦にさまざまな〝試練〟を与え、子宝や火伏せ、地域繁栄を祈る伝統行事「小泉の水祝儀」=県無形民俗文化財=が10日、加美町宮崎地区の小泉集落で繰り広げられた。風変わりな婚礼儀式の主役は、集落に住む堀越敦さん(48)と、8年前に嫁いだ岩手県大船渡市出身の妻和喜さん(55)。大崎市内でそば店を営むおしどり夫婦で、入籍時に結婚式を挙げなかったため集落の粋な計らいで〝新婚〟扱いになったそう。神事に続き、和喜さんは男たちが並んでつくる輪の中を神前に向かい這いくぐる「鳥居くぐり」、敦さんは男たちの間を濡れ手拭いで清められながら駆け抜ける「面洗い」に挑んだ。どちらの儀式も常に順風満帆とは限らない人生のように、すんなりと終わらせないしきたり。集落住民は力づくで邪魔をした。

保育の現場などへ巣立つ

 宮城誠真短大(山口義康学長)の第36回卒業式・学位記授与式が9日、大崎市古川のグランド平成で開かれ、それぞれ保育の現場などへ巣立っていった。同短大は保育者養成を目的とした単科短大。卒業生は県内外で幼稚園教諭、保育士などとして活躍している。卒業式では、山口学長が一人一人に卒業証書・学位記を授与し、「学業のほか学生消防団やボランティアなどの活動にも取り組み、他人を思う姿は立派だった。自分のペースで、過去の自分を乗り越え成長してほしい」と式辞を述べた。

尾西食品アルファ米 産業技術功労賞

 大崎市古川清水に工場がある防災食メーカーの尾西食品(東京)が昨年8月に新発売した「尾西のレンジ+(プラス)シリーズ」がこのほど、「第53回食品産業技術功労賞」(食品産業新聞社主催)に選ばれた。国内で初めて電子レンジで調理可能なアルファ米を実現した功績が認められた。同社の受賞は、2021年の「CoCo壱番屋監修尾西のカレーライスセット」以来2年ぶり2度目。

 

踊りやヨガにうってつけ

 大崎市古川七日町の空き店舗を利用した時間貸しレンタルスペース「GrowS(グロース)」がこのほど、オープンした。ダンス、ヨガなどに気兼ねなく利用でき、市内の個人やグループから早くも好評を得ている。七日町商店街の活気を取り戻そうと、仙台市の不動産会社グローランドが建物のオーナーから相談を受け、1階部分にオープン。運動や飲食が可能なレンタルスペースは大崎市内では珍しく、ダンス団体やヨガ教室、すずめ踊りの練習などで引き合いが多いという。

 

地域の防火に長年貢献

 本年度の大崎広域消防本部消防表彰式が7日、本部庁舎(大崎市古川)であり、防火思想の啓発と無火災に貢献した婦人防火クラブ関係1個人8団体、活動協力の2事業所に賞状が手渡された。「消防記念日」(3月7日)にちなんだ恒例行事。あいさつで、櫻井俊文消防長は「日頃、皆さんには『火の用心は茶の間から』の実践をはじめ、さまざまな場面で献身的に活動いただいている」と感謝を述べ、佐々木とも子大崎地域婦人防火クラブ連合会長は「無火災達成や豊富な経験を生かし後進育成にも尽力を」と呼び掛けた。個人で唯一対象となったのは、昨年4月まで美里町婦人防火クラブ連合会長を務めた佐々木文子さん。地域の防火、防災体制づくりに長年取り組み、県婦人防火クラブ連合会長など要職も歴任。櫻井消防長から賞状が手渡されると、出席者たちは拍手でたたえた。