2023/11/11


藤岡さん一日署長に

 秋の火災予防運動が9日、全国一斉に始まった。15日までの期間中、大崎地域広域行政事務組合消防本部管内でも、防火思想の普及を目指す多彩な取り組みが繰り広げられる。運動初日の〝顔〟として、古川消防署は元女子プロボクシング選手の藤岡菜穂子さん(48)=大崎市古川出身=を一日署長に委嘱した。委嘱状交付後、署員たちに対し「いつも以上に気合を入れ、市民の『安全安心』を守ってもらいたい」と訓示した藤岡さん。りりしい制服に身を包み、広報活動に繰り出す消防車両を見送ったり、母校古川黎明中高の立ち入り検査に同行したりと、生まれ故郷の「火の用心」のため午前中いっぱい駆け回った。

 

伝統の「秋の互市」開幕

東北最大級の規模として知られる大崎市鹿島台「秋の互市」が10日、始まった。会場の昭和通りは朝から多くの買い物客でにぎわい、活気にあふれた。12日まで。鹿島台互市は1910(明治43)年、ことし生誕160周年を迎えた「わらじ村長」こと鎌田三之助(1863~1950年)が村内14の神社を鹿島台神社に合祀し、村の発展を願って開設したのが始まり。以来、ことしで114年目、今回で228回を数える伝統の市。例年、3日間でおよそ10万人が訪れる。JR鹿島台駅から市鹿島台総合支所まで約800㍍の昭和通りには、農産物や海産物、植木、手工芸品など約130の露店が軒を連ね、訪れた人たちは目当ての品物を買い求めていた。

 

 

 

存在感抜群のポスター

 加美消防署が管内の高校美術部に制作依頼した火災予防ポスターが出来上がり、巨大さとデザイン力で防火思想の普及に貢献している。作品タイトルは、中新田高(加美町)は「責任とれますか?あなたの行動」、一方の加美農業高(色麻町)は、ずばり「あぶない」。両校とも火の不始末をテーマに、思い思いの絵柄と色彩で描いた。キャンバスサイズはA0(約120㌢×約84㌢)と存在感抜群。火災予防運動開始に先立つ10月25日、同署で高校側からの受け渡し式が開かれ、署員らが出来栄えをたたえた。

 

事業伝承 対応早めに

 古川信用組合は1日、事業承継・引き継ぎ無料相談会を本店(大崎市古川十日町)で初めて開いた。中新田支店では昨年から行っている事業で、ことしは本店のほか、鳴子、小牛田両支店でも新たに取り組む予定。小松宏之本店長は「相談会以外でも随時相談を受け付けているので、早めに対応してほしい」と呼び掛けている。相談会は、国が設置する公的な相談窓口、宮城県事業承継・引継ぎ支援センターと連携して行っている事業。公認会計士や税理士など専門家が、親族や従業員、第三者への事業引き継ぎに必要な課題解決をアドバイスし、事業承継計画書の作成も支援する。第三者へ譲渡する場合は、相手先のマッチングも行う。

 

公衆浴場で人命救助

 非番の際に人命救助に貢献したとして、大崎地域広域行政事務組合鳴子消防署(渡辺毅署長)は10月31日、医師で大崎市民病院鳴子温泉分院副分院長の遠藤忠雄さん(64)=鳴子温泉字町=に署長名の表彰状を贈った。遠藤さんは9月6日午後6時ごろ、プライベートで訪れた鳴子温泉川渡の公設浴場で、浴槽内に沈んでいる男性を発見。急ぎ引き上げて救命処置を施した後、同署の救急隊に出動要請し、自ら付き添って分院へと運んだ。当時、血圧の乱高下で体調を崩す「ヒートショック」で意識もうろう状態だった男性は懸命な処置の結果、一命をとりとめたという。

 

技能実習生の安全安心へ

 技能実習生の「安全安心」に向けて古川署は10月24日、ベトナムとインドネシアの実習生計11人が働くマルセンファーム(大崎市鹿島台)で防犯・交通安全教室を開いた。各部門の署員が講師役となり、オーバーステイ(超過滞在)、言語や文化の違いで生じるもめ事、金銭絡みの犯罪といった在日外国人が陥りやすいトラブルへの注意点や、それぞれ母国と異なる交通ルールとマナーについてアドバイス。女性実習生には痴漢とストーカー被害、その発端となる個人情報流出に警戒するよう呼び掛けた。

 

大空に1万人熱視線

 栗原セミネ飛行場まつり2023(実行委員会主催)が10月29日、栗原市瀬峰藤沢、栗原瀬峰飛行場で開かれた。ホンダジェットをはじめとする航空機が飛来し、デモフライトやアクロバットを披露。会場の約1万人のファンを興奮で包んだ。時速400㌔を超える国産ジェット機ホンダジェットは昨年に続いて登場。何度も低空飛行して爆音を響かせた。東日本大震災のとき報道ヘリのパイロットとして同飛行場を利用した千葉啓輔さんも取材用ジェットで来訪。管理運営する東日本パイロット協会の当時の会長、佐々木逸馬さん(故人)の厚意に感謝を込めた。

 

今季防火ポスターに採用

 栗原市消防本部はこのほど、市内小中学生を対象に募集した防火ポスターの審査結果を発表した。最優秀賞には若柳小6年橋わこさんと栗駒中1年菅原彩世さんの作品が選ばれ、橋さんの作品は今秋、菅原さんの作品は来春の火災予防運動用防火ポスターに採用される。橋さんはアクリル絵の具を使い、小さな失火が家屋を包み込み、悲劇を生む様子を描写した。受賞の喜びに笑顔を見せつつ「炎のゆらめき感を出すのが難しかった。便利で身近な火だからこそ気を付けてほしい」と話していた。菅原さんは『火事』の文字を赤で強調し、手指を丁寧に描いて緊張感を際立たせた。水を多めに使って炎に臨場感をもたせた工夫もポイントで「火事の件数が減るよう、普段から一人一人が気を付けて生活してほしい」とコメントを寄せた。