2025/06/17


台北の高校生が大崎へ

 教育旅行の一環で宮城県を訪問している台湾・台北市の高校生が11日、古川工業高を訪れた。台湾の高校生たちは授業を見学したほか柔道も体験し、言葉の壁を越えて親睦を深めた。古川工業高を訪れたのは台北市内の工業高校2校、商業高校1校の生徒計11人と教職員、台北市政府教育局職員計4人。歓迎セレモニーでは英語と日本語によるメッセージ、土産を交換。また、台湾の生徒は弾き語り、古川工業高の生徒はストリートダンスのパフォーマンスをそれぞれ披露した。その後、武道場に移動して柔道を体験。台湾の生徒たちは道着に袖を通し、一本背負いに挑戦。柔道部員からつかむ場所や体の動かし方を教えてもらった後、実際に部員を相手に技を仕掛けた。すぐにこつをつかんで部員を豪快に投げる生徒がいれば、相手をうまく背負うことができずに四苦八苦する生徒もいた。

大規模自然災害に備え

 「みやぎ県民防災の日」(6月12日)を前に11日、古川署で大掛かりな災害警備訓練があり、署員たちは本番さながらの訓練プログラムで有事に備えた。大規模自然災害が起きたとの想定。署内に警備本部を設置し、人命救助をはじめ被災者の避難誘導、治安維持や交通規制など災害現場で行う警察活動の手順を確認したほか、署に留置されている容疑者を安全な場所へ移送する流れも確かめた。AED(自動体外式除細動器)での救急救命講習、災害対応用資機材の点検も実施。昨年7月に山形県新庄市で警察官2人が河川氾濫の救助要請対応中、パトカーごと濁流にのまれて殉職した事案を踏まえ、講師役の署員はとりわけ救命胴衣について「出動前着用」を強調し「職務遂行のため、警察官も自分自身の命を守る行動を」と呼び掛けた。

特産のおいしさ全国へ

 大崎市鹿島台特産「デリシャストマト」を原料とするジュースやゼリーのふるさと小包が、県内各郵便局で取り扱われている。第1便の出発式が11日、デリシャストマトを生産する「デリシャスファーム」(鹿島台木間塚)であり、関係者約20人が出発を見送った。デリシャストマトの加工品をふるさと小包で扱うのは初めてで、2日に申し込み受け付けを県内各郵便局とウェブサイト上で始めた。ジュースとゼリーのほか、ミニトマト(アイコ)の3セットで、代金は送料込み2200~7500円。デリシャストマトは地元生産者が50年近く研究を重ねて生まれたブランド。強い甘味が特長で、糖度は一般的な種(糖度4~5度)を上回る7度以上ある。

 

平和の願いあらためて

 大崎市松山遺族会は12日、戦没者慰霊祭を同市松山の羽黒神社で開き、日中戦争や太平洋戦争などで尊い命を落とした兵士らの霊を慰めた。慰霊祭には菅原滿会長(89)ら遺族会の役員6人が出席し、境内にある忠魂碑の前に祭壇を設けて神事を実施。足立光弘宮司が祝詞を奏上し、出席した役員は戦地で亡くなった肉親らをしのんで玉串をささげた。菅原会長の父、胞治さんは日中戦争に従軍し、1939年5月10日、武漢で戦闘中に亡くなった。27歳だった。同神社で激励を受けて戦地に向かったという。

 

平和の尊さ訴える

 大崎市三本木の「二階堂トクヨ先生を顕彰する会」は8日、本年度総会を市三本木保健福祉センター(ふれあいホール)で開いた。記念講演で佐藤武一郎会長(96)が、少年期を過ごした戦前戦後を振り返り、平和の尊さを訴えた。記念講演で元三本木町長の佐藤会長は、自費出版した回顧録「幾山河 遙かな流れ~鳴瀬川晩鐘~」をもとに、〝昭和100年〟に当たることし、改めて三本木の歴史をひもといた。「戦前は農村の多くが自給自足で、『旦那さま』(地主)に付随して生きていた。戦争でどこの家にも戦死者がいて、稲作を手伝う人が減った」という。自身も1945年春に王城寺原飛行場整備に駆り出され、「もっこで土砂を運び、一帯は人であふれた」と回想した。戦後に進駐軍がやってくると、子どもに混じって大人もキャラメルを欲する光景に触れ、「哀れさを感じた」と。「上京し闇市で統制品を売ったり、赤線(半ば公認で売春が行われていた地域)で働いたりして皆生きるのに必死だった」といい、「戦争は悲しく、つらいもので絶対にしてはいけない」と訴えた。

 

〝春の表情〟撮った70点

 大崎市鹿島台の写真愛好家グループ「木馬の会」の写真展が、地元の鹿島台郵便局で開かれている。長年にわたり撮影技術の向上に努めている会員たちの力作が、訪れる人たちの目を引き付けている。20日まで。同会は2000年に発足。季節ごと年4回、撮影会に出掛けて四季折々の風景や催事などを写真に収め、年2回(春、秋)の写真展を通して紹介している。今回展示したのは、春をテーマにした約70点。木漏れ日が注ぐカタクリの花や、朝もやが幻想的に包むサクラと菜の花、ピンクのウメの花が反射する手水舎などの写真が並ぶ。