2024/3/2


コロナ禍乗り越え巣立つ

 3月は卒業シーズン。県内ほとんどの公私立高校で1日、卒業式が行われた。コロナ禍を乗り越え晴れの門出を迎えた生徒たちは、進学、就職とそれぞれが進む道に向かう決意を胸に、母校を巣立った。古川工業高の全日制第76回、定時制第61回卒業式は同校体育館で実施。卒業を迎えたのは全日制237人、定時制12人。5年ぶりに通常通りの式典となり、多くの保護者らが見守った。式辞で石岡恒一校長は「皆さんが飛び立つ社会は第4次産業革命とも言われ、社会構造が加速度的に変化していく。本校で身に付けた自信と誇りを胸に、志を継続し、誠実な精神で自ら選んだ道を力強く歩み続けてほしい」と激励した。

震災の記憶伝える

 東日本大震災の記憶を今に伝える写真パネル展(大崎タイムス協賛)が1日、古川署内で始まった。12日まで。一般来庁者の〝記憶の風化〟を防ごうとする恒例企画。「近年は震災での活動経験がない若手警察官も増えており、署員自ら教訓を学ぶ意味でも大切な取り組み」(同署警務課)。2011年3月の発災直後、本紙記者が撮影したものが中心。倒壊家屋、壊れた看板やショーウインドーが散乱する商店街、地割れだらけの道路など「内陸最大の被災地」と呼ばれた大崎地方の惨状が写真でよみがえる。また提携ローカル新聞に掲載された津波被災地の写真も複数展示。

今夏の花火大会へ始動

 大崎地方の夏の風物詩「おおさき花火大会」(8月2日)に向けた第1回実行委員会が2月28日、古川商工会議所で開かれ、ことしの開催に向けて始動した。昨年は4年ぶりの通常開催を果たしたが、物価高騰で赤字となるなど課題も残った反省を踏まえ、委員たちは持続的な大会開催を目指して意見を交わした。ことしのメインテーマは「~スマイル~」。第1回実行委には招集メンバー17人が出席。さらなる物価高騰を踏まえ、設営費がかさむナイアガラを見送って打ち上げ花火を増やす案や、協賛特典を拡充し新たな特別観覧席を設ける案、警備体制の見直しなどについて検討した。

 

特殊詐欺を水際で阻止

 ATMを使った特殊詐欺を未然に防いだ功労をたたえ、鳴子署は2月27日、七十七銀行岩出山支店兼鳴子支店と、対応に当たった同支店の佐藤美穂さん(53)に感謝状を贈った。鳴子署によると、8日午後3時半ごろ、同支店ATMを操作していた60代男性から七十七銀行コールセンターへ「還付金を受けるための電話番号を忘れてしまった」と問い合わせがあった。窓口は終了していたが、勤務中だった佐藤さんが男性に状況を確認。「電話は怪しい。間違いなく詐欺」と説得し、振り込みを水際で食い止めた。

 

「防災の見直し」テーマに

 大崎市田尻地域で活動する奉仕団体でつくる「田尻ボランティア友の会」は2月27日、研修会を同市田尻福祉センターで開き、会に加盟する約10団体30人余りが、災害支援の実例に触れてボランティア活動の在り方について考えた。東日本大震災から13年を間もなく迎えるのと能登半島地震を踏まえて「防災の見直し」をテーマに開催。講師に松山ボランティア活動連絡協議会長で県防災指導員の髙橋伸実さん(45)=同市松山=を招いた。髙橋さんは東日本大震災で被災した石巻市で支援物資配布や家屋のヘドロかき出しに従事。熊本地震や西日本豪雨、令和元年東日本台風の被災地で復旧、復興支援に当たった体験に触れ、「たくさんの人が寄せた支援物資から助け合いの輪が広がり、『無縁社会』から『絆社会』へ180度変わった」と述べた。

 

地震被災地を応援

 能登半島地震の被災地を支援しようと、大崎中央高の生徒たちが2月27日、大崎市内のスーパーや道の駅などで街頭募金活動を行い、大きな声で買い物客に協力を呼び掛けた。この日は試験最終日で、午後1時から生徒会役員と野球部、バレーボール部、有志の生徒約60人が5カ所に分かれて活動。寒風吹きすさぶ中、「ご協力お願いします」と買い物客に声を掛け、募金箱にお金を入れてもらうと深々と頭を下げて感謝した。買い物客の中には、「頑張って」と生徒たちを励ます人もいた。

 

24年問題に対応を

 建設業や運送業の「2024年問題」に対応してもらうためのセミナーが2月26日、大崎市古川の大崎建設産業会館で開かれた。宮城労働基準協会古川支部と県建設業協会大崎支部、県トラック協会大崎支部が主催。建設業者と陸上貨物運送事業者合わせて68社約100人のほか、公共工事などを発注する大崎市の担当者が参加した。働き方改革関連法に伴い、時間外労働時間の上限規制が2020年までに導入された。建設業や陸上貨物運送業では4月から適用され、1人当たり労働時間の短縮に伴い新たな人材確保や輸送能力不足、工期長期化が懸念されている。セミナーは2業種別に開催され、建設業者対象の回では古川労働基準監督署の菅原聡也署長が講演。「建設業従事者の高齢化が進む中、能力の生かし方のほか、ワークライフバランスを重視する若者にとって魅力的な業界の在り方を考えないといけない」と訴えた。

 

20年ぶり「特A」ゼロ

 日本穀物検定協会は2月29日、2023年産米の食味ランキングの結果を発表した。古川農業試験場生まれの「ひとめぼれ」は4年連続で「A」にとどまり、最上位の「特A」復帰は果たせなかった。ササニシキもその下の「‘A(エーダッシュ)」で変わらず、前年まで10年連続で「特A」だったつや姫が「A」に降格した。県産米が全て「特A」に入れなかったのは、冷害に見舞われた2003年以来20年ぶり。

 

登米の四季インスタで

 登米市内の魅力をあらためて発見しようと、県東部地方振興事務所登米地域事務所が初めて開いた「#トメ旅2023フォトコンキャンペーン」の審査結果が2月27日に発表された。「登米の四季」部門では、春、夏、秋、冬それぞれの受賞者に、登米市内の地場産品の詰め合わせ2万円相当が贈られる。作品はインスタグラムで随時発表される。登米地域事務所公式インスタグラム「ほっとめーしょん」の開設3周年に合わせ、登米の四季、イベント、お薦めスポットの3分野で昨年4月からことし1月にかけて募集。北海道や青森県、東京都などから726件の応募があった。