大崎市岩出山真山の真山白河家をテーマとした企画展「書写収集事業−真山白河家の歴史と書写資料−」が、岩出山の旧有備館および庭園で開かれている。奥州白河結城家の血を引く同家の盛衰や、「白河結城家文書」を集めた松平定信との関係などを紹介している。真山白河家のルーツは、戦国時代の下総国白川荘(現在の福島県白河市)を治めた白河結城家にさかのぼる。豊臣秀吉の小田原攻め遅参を原因とした領地没収と一族離散、白河義親、義名兄弟の伊達家家臣入り、江戸期の改易、お家再興などを経験した。白河結城家文書は、白川荘を治めていた時代に成立した文書群。改易没落などで分散したが、白河藩主を務めた老中松平定信が隠居後の1812(文化9)年ごろから、文書の書き写しとその収集を友人、知人の藩主や有力者に依頼。真山白河家でも文書を書き写す取り組みを行った。企画展は、市教育委員会と東北大東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門が主催。同家から見つかった書写資料の一部を含む62点を展示。書状や文書目録、鳴子の本山銅山再開発の記録などを並べた。白河家の栄枯盛衰もパネルで紹介している。