松山高校で13日行われた就職出陣式。解禁に向け、士気を高めた
若年フリーターが増加
「氷河期」脱出の糸口見えず
 高校生の就職試験が16日、解禁された。大崎管内の求人倍率は昨年を上回っているが、高校生の地元志向や企業採用の即戦力重視もあり、「超氷河期」脱出の糸口は、まだ見えてこない。一方では、若年層のフリーターが全国で二百万人を突破した。職や働くことの意義がかつてなく揺れ動いている中、高校就職戦線のいまを追う。出足は好調だが

 ハローワーク古川(古川公共職業安定所)によると、今年3月に大崎管内の高校を卒業した生徒の就職率は、4月末現在で94・9%と、昨年同期(92・3%)と比較し、やや好転した。

 求職者数825人のうち、内定者数は783人。うち6割の473人が地元・大崎で職を得た。42人が就職できず、フリーターなどになっている。

 来春卒業予定の管内高校生を対象とする求人の出足も、例年になく好調。製造業を中心に276件(8月末)と、前年比47・6%増だ。

 白鳥一彦統括職業指導官は「業績の好転で、前年に比べて採用計画を早める企業が増えた」と分析する。

 一方で、「あくまで求人の出足が早まっただけで、最終的な求人数が昨年を上回るかは微妙な情勢だ」と気を緩めない。増加した求人も県外分が多い。「管内高校生は地元志向が根強い。場所さえ選ばなければ、内定も得やすいのだが…」。

揺らぐ相互関係

 毎年ほぼ100%に近い就職実績を誇る古川工業高校(古川市北町、須藤正氣校長)。管内だけでなく、全国に張り巡らされた卒業生のネットワークが長年、新規就職者の受け皿になってきた。

 だが学校に寄せられる求人数は、かつての7分の1まで減少。管内に限っても、その数は半減した。公共事業の削減の影響で、長年土木・建築科生徒の受け入れ先だった土建業者の求人落ち込みが、とくに著しい。

 「製造業の中には、一度派遣で新卒者を試用し、その結果を受け本採用?など段取りを踏む企業もある。不況の中、どの会社も新卒者採用には慎重だ」と、加藤達夫進路指導部長は話す。

 地元の専門高校と企業は、「優秀な人材供給」と「一定数採用」という相互関係を保ってきた。だが、長引く不況は、そんな関係さえも揺さぶっている。

七五三現象

 不況だけではない。企業が高卒採用に二の足を踏む背景には、新卒者の離職率の高さがある。

 県労働局のデータは、「七五三現象」と呼ばれる若年離職の実態を裏付ける。平成12年春に県内の高校を卒業した若者のうち、3年以内の退職者は、実に51・2%に上る。

 古川市内の電気工事業社長は、「会社で費用を負担して資格を取得させた途端に辞める高卒者もいる。我慢が足りないし、(新卒者に対し)腹も立つ」と苦言を呈する。

 早期離職者は、そのまま若年層フリーターの予備軍となる。「安直な理由で(退職という)判断を下す若者が多い」(白鳥指導官)ため、その数は着実に増えつつある。

◆メモ…「七五三現象」とは、新規学卒就職者のうち中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が3年以内に退職するとされる実態をさす。離職後、不況やスキル不足で再就職先を探すのが難しく、フリーターを続けざるを得ないケースが増加している。厚生労働省が10日公表した労働白書によると、15?34歳の学卒者でアルバイトやパートに従事するフリーターの数は、全国で217万人。(都築理記者)