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| 防犯パトロールに取り組む素山町自治会のメンバー。合併で始まった補助金を地域自主事業に役立てている |
「ただいま−」。美里町素山町の交差点。放課後の通りに小中学生の元気なあいさつが響く。「気をつけて帰るんだよ」と声を返すのは住民の防犯ボランティアだ。児童を狙った連れ去り未遂の続発を受けて、小牛田町時代から取り組んでいる。
素山町自治会では有志約六十人がシフト表をつくり、毎日約10人が下校時間帯の午後二逢四時ごろにかけて登下校ルートの交差点で「立ち番」に就き、不審者に目を光らせる。冷え込みが厳しい冬も、その姿は変わらない。
学校の長期休暇中は、巡回パトロールに切り替える。効果は絶大で、自治会の佐々木英壽さん(74)は「(立ち番を始めてからは、地域内で子どもが不審者に遭遇する被害がいっさいなくなった」と胸を張る。
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美里町は今春から、「地域づくり支援事業」をスタートさせた。旧南郷町の事業を引き継ぎ、行政区ごとに人口に応じて、環境保全事業や防犯、防災の取り組みに対して年11−27万円の補助金を交付する。
自治会では本年度、補助金を安全啓発のぼりの購入、会報印刷など事務費に充てた。のぼりは、地区内のすべてを新調すると6−7万円ほどかかる。佐々木さんは「大変助かっている。合併の恩恵だ」と話す。
役場近くの彫堂(いりどう)地区では、自治会が補助金で防災マップを作った。地域をくまなく歩き、崩落する危険性があるブロック塀、防火水槽、一時避難所などの位置を記入。全戸アンケートの結果などをまとめて五百部を作り、全戸配布した。
マップ作成に合わせて自主防災組織も立ち上げ、想定される宮城県沖地震の備えを強めた。町は本年度、同事業に1000万円を計上。佐々木功悦町長は、住民主導事業の広がりに「地域のことは地域住民が一番よく分かる。住民リーダーの育成、ひいては町の活性化につながる」と期待する。
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美里町は、合併協議の中で、特例法に基づく「地域協議会」などは設けなかった。住民の声を行政に反映させるために設置が認められているが、隣町同士の2町という小規模合併のため、合併後も地域要望に応じたきめ細かな施策が行えると判断した。
その一方で、5月には、住民がまちづくりを議論する場として「まちづくり会議」が発足している。産業経済・環境、教育文化・医療福祉、行財政・住民活動の各分科会に分かれて、平日の夜間、休日など月2度のペースで集まる。
現在のテーマは、町が3月までに策定する「美里町総合計画」への提言。公募で集まった委員は男女24人(小牛田19、南郷5)で、顔ぶれも、農家や主婦から学生までと多彩。幅広く出された意見を集約し、1月中にも最終報告をまとめて町長に報告する。
「地域協議会」などでは、町が地域にかかわる重要施策を行う際に協議会の意見を聴く必要がある。それに比べると、まちづくり会議の持つ力は弱い。だからこそ、町には「住民参画のまちづくり」の実現に向けて、会議の声を町政に反映させる真摯(しんし)な姿勢が求められる。(第1報道部 都築 理)