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勝男さんが残したアルバムを見る勇治さん |
失われた39年間・早坂勝男さん拉致疑惑 第7回
2007年2月26日付
「北朝鮮の体制が崩壊するのはもう間近」
救う会(北朝鮮に拉致=らち=された日本人を救出するための全国協議会)事務局長の平田隆太郎さんは断言する。
2005年に米国が北朝鮮に金融制裁を科し、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」の関連口座を凍結。これを受けて、世界中の金融機関が北朝鮮との取り引きを止めた。
平田さんは「特権階級に外貨が回らなくなり、軍幹部の忠誠を維持する手段がなくなった」と指摘。「情報統制がしっかりしているため国内から体制が崩壊する可能性は薄いが、日本や米国、国連などからの外圧にどれだけ耐えられるか疑問」と語る。
北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議は、重油計100万トンの支援を含む合意文書を採択したが、平田さんは「たった100万トンでは北の経済は先行きが見えない」と説明。特に、安倍晋三首相が、拉致問題の進展がなければ原則として支援に応じない考えを表明したことを挙げ、「日本の強い意思を内外に示すことに成功した」と賞賛する。
その上で、早坂勝男さんをはじめとする、失踪(しっそう)理由すら分からない全国の特定失踪者について、平田さんは「国民が拉致問題にさらに関心を高め、政府に真相究明を求めるとともに、北朝鮮に対して圧力を加え続けるべき」とアドバイスする。
◇
現在、政府が認定している拉致被害者は17人。いずれも脱北者らから寄せられた目撃情報が大きな決め手になった。
しかし、北朝鮮での目撃情報がないまま認定、帰国に至ったケースもある。曽我ひとみさん(新潟県)の場合、北朝鮮が02年9月の日朝首脳会談で突然、日本側の名簿になかった曽我さんを拉致したことを認めている。
勝男さんの家族らも、北朝鮮での目撃情報とともに、北の自主的な発表にも期待を寄せる。相手の見えない戦いから一転、目指すゴールが定まるからだ。
安倍首相は今月25日、新潟市内のホテルで就任後初めて、曽我さんら拉致被害者5人と面会。特定失踪者の真相究明と拉致犯の引き渡しを北朝鮮に求めていく考えを明言した。
勝男さんの兄、勇治さん(69)=千葉県鎌ケ谷市=は「長い戦いになるのは覚悟している」とした上で、決意を固める。「国や地元とともに最後まで戦いたい。勝男が戻るその日まで…」
終わり(第一報道部 板垣 英人)